社会不安障害の精神療法の種類について【治療法】

社会不安障害の治療では、薬物治療とあわせて精神療法をおこなうのが基本です。

そこで今回は、社会不安障害の治療でおこなわれる精神療法の種類についてまとめてみたいと思います。

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治療の第一歩は医師との対話(カウンセリング)

社会不安障害の治療の第一歩は、医師(臨床心理士)との対話=カウンセリングです。

まず最初は、自分の状態や悩み、症状について、医師ときちんと話すことからスタートします。そして、どんな治療法で、どのように治療を進めていくかを決定していきます。

薬物治療で過度の緊張や不安、恐怖がやわらいでくると、落ち着いて自分の病気についても考えることができるようになります。そして、精神療法を薬物治療とあわせて行っていきます。

精神療法を取り入れることで、社会不安障害の人の考え方や思考パターン、行動を変える効果が期待できます。ただし、精神療法を始めてすぐに症状がなくなり、自分が変化するものではありません。

薬の服用とあわせながら行うことで、一歩ずつ確実に変化があらわれ、社会不安障害の病気を治すことができるのです。

社会不安障害の精神療法の種類

社会不安障害の治療法としておこなわれる精神療法には、次のような種類があります。これらの精神療法は、患者さんが1人で実践するのではなく、医師の指導のもと治療を進めていきます。

・認知行動療法
・認知再構成法
・エクスポージャー(暴露療法)
・SST(ソーシャルスキルトレーニング)
・森田療法
・コラージュ療法

認知行動療法

認知行動療法では、本人が強い不安や恐怖を感じてしまう状況でも、場面場面に応じて適した考え方をするように、認知の歪みを修正し、実際に行動することで不安を克服する。

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認知再構成法

社会不安障害の患者さんは「こうあるべき」という思考パターンが多く、認知再構成法で誤った思い込みや先入観を変える。

エクスポージャー(暴露療法)

エクスポージャー(暴露療法)は、不安や恐怖などの感情に打ち勝つ治療法。ステップのやさしい状況から少しずつ刺激が強いシチュエーションへと、少しずつ刺激に慣れていく。

SST(ソーシャルスキルトレーニング)

SSTとは、ソーシャルスキルトレーニングの略で、人間関係のシチュエーションを想定し、コミュニケーションやマナー・礼儀をはじめとする「社交術(ソーシャルスキル)」と練習して習得していく。

森田療法

森田療法は、自分のあるがままを見つめるために、入院、日記、作業を通して、神経症を克服していく日本で誕生した療法。

コラージュ療法

コラージュ療法とは、写真やイラストなどを組み合わせてコラージュを作成し、自分が心に抱いている感情や気持ちを整理していく。

心理教育

心理教育とは、患者本人が病気に対して正しい知識や情報、治療法を持つための教育のこと。社会不安障害はどのような病気なのかを理解し、性格が原因ではないことを知り、薬物治療や精神療法についてもきちんと知った上で、治療に取り組む。それぞれの薬や治療法の効果、副作用、治療計画について、医師と患者が話し合い、共通理解を深めることで治療効果も高まっていく。

ひとりひとりにあった治療法を見つけること

社会不安障害の精神療法では、不安や恐怖などの精神的ストレスを軽減し、考え方の悪いクセを直すことを目標とします。

人前に出ると過度に緊張してしまい、苦手な状況から逃げてしまう、という負の悪循環を断ち切るためには、薬で緊張感や不安感を抑制する治療方法も有効です。そして、患者本人が不安を克服しよう、自分の思考パターンを変えよう、病気を治そうという気持ちが大切です。

そこで有効な治療法が精神療法です。精神療法には多くの技法があり、それぞれの症状や状態にあわせて適した治療法で治療をおこなっていきます。

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