【社会不安障害】あがり症が悪化して重症化する悪循環も

極度のあがり症(社会不安障害)の場合、「何回か経験して慣れてくれば良くなる」と思いがちですが、そのうち良くなることはありません。

経験すること自体が精神的ストレスになり、負の悪循環に陥って重症化してしまうこともあるので注意が必要です。

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社会不安障害は場慣れするものではない

人前でのスピーチのときなどに緊張してしまい、失敗した経験は誰にでもあると思います。しかし、「何度か回数をこない、場慣れすればうまくできる」と思い、普通であれば慣れるにつれて緊張は軽減されていきます。

しかし、極度のあがり症である社会不安障害の場合には、場慣れするようなものではなく、「また次の同じ失敗をしてしまう」という予期不安が生まれます。過去の失敗経験がトラウマとして心に刻まれてしまうのです。

これは脳の扁桃体や海馬の作用によるもので、脳の反応で不安感情を再現し、なかなか解消することができなくなります。

予期不安が生じると、実際にその状況にいなくても、まるで人前にいるかのような緊張や不安、ストレスを感じてしまうようになります。

予期不安がつくられる流れ

社会不安障害では、脳の扁桃体や海馬が常に反応してしまい、苦手な状況に慣れることができなくなってしまいます。

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失敗体験

海馬で嫌な体験として記憶される

過去の記憶がよみがえる

予期不安が形成される

社会不安障害の負の悪循環とは?

社会不安障害の人は、もともと「他人からどう見られているか」と気にする傾向があります。

言い換えると、緊張や不安によってあらわれる身体症状よりも、緊張している自分の不安な心が周りの人に知られてしまうことの方が怖い、と考えられます。

そのため、過去の失敗体験によって予期不安が形成されると、さらに人前にでることが怖くなってしまいます。そして、また失敗するのが怖くて不安になり、苦手な状況や場面を避けるようになってしまいます。

しかし、苦手な状況から逃げてばかりだと、不安感はさらに強くなっていくだけです。そして、その不安によって回避行動が固定化し、「予期不安と回避行動を繰り返す」という負の悪循環に陥ってしまうのです。

悪循環から抜け出すためには、成功体験を積み、不安を減らして自信をつけていくことが必要です。

繰り返す予期不安と回避行動

社会不安障害の人は、「過去の嫌な体験」から不安が生じ、予期不安が回避行動をおこし、回避行動がさらに不安にさせる、という負の悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

【予期不安と回避行動の悪循環】
トラウマ体験

社会不安障害発症

予期不安(また失敗するのでは)

回避行動

予期不安が高まる

回避行動が固定化する

悪循環に陥る

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