発達障害児を持つ親のストレスも大きい、うつ病になるケースも
発達障害の子どもを支援していくことは、親にとっても精神的負担が大きいものです。
そのため、親がストレスをためてしまい、うつ病などを発症してしまうケースも少なくありません。
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発達障害児の親の精神的ストレスも大きい
日本において、発達障害についての認識や理解は、昔に比べると少しずつ広がってきています。
しかし、まだまだ発達障害の子どもについて「親のしつけが悪い」「親が甘やかしすぎだから常識がない」と考える人もかなりの数がいるようです。
そうした世間の目を浴びながら発達障害の子どもを支援していくということは、いくら親だからといっても簡単なことではありません。
発達障害児を持つ親の精神的負担も大きく、心理的ストレスからうつ状態になってしまうケースもある、というのが現実です。
親にとっての相談相手や理解者も必要
うつ病になってしまうほど親が心理的に追い詰められる前に、親にとっての相談相手や理解者をみつけることが大切になります。
発達障害児の子育ての悩みやグチを聞いていくれる友達、兄弟がいれば、ひとりで問題を抱え込まずに頼ることも大切です。
他人に弱みを見せたくない、意地を張ってひとりで抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうなど、ストレスをためないように注意しましょう。
「常識や普通」の枠に当てはめないこと
他の普通の子どもであれば、誰に教えられるわけでもなく自然と身に付けていく常識であっても、発達障害の子どもはなかなか身につけることができないことも多々あります。
そんな発達障害の子どもの様子をみていると「なぜできないの?」と子どもにも、自分自身にもイライラしてしまうこともあるかもしれません。
発達障害を支援するサポート側としては、「常識」「普通」「道徳」といった枠に当てはめようとしてしまいがちですが、そういった対応は、発達障害の子どもにとっても親にとっても大きなストレスになってしまいます。
発達障害の子どもと他の子どもでは「住みやすい世界が違う」ということを認識しておくことが大切です。
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親の精神的安定のためにカウンセリングを受けることも
発達障害の子どもが成長していくにつれて、学習、進学、性、非行、就職、など親の心配ごとは増えていくものです。
こういった問題は発達障害の子どもに限ったことではありませんが、対応や対処に悩み、ストレスに耐えられなくなる前に、専門的カウンセリングを受けるのも有効な方法です。
発達障害の子ども自身が「生きにくい」と感じて悩んでいるのですから、親が不安であせったり、心配しすぎてイライラしないように気をつけたいものです。
学校の担任教師との信頼関係が大切
発達障害の子どもを支援していくためには、学校と家庭との連携、協力が欠かせません。
家庭は家庭で、学校は学校で、とバラバラに対応することは、発達障害の子を混乱させてしまうだけです。
親と学校の担任教師が信頼関係を築き、両者が協力して同じ方向を目指した支援が重要です。
ですが、親と教師はそもそも立場が違うため、信頼関係を築くと言っても簡単なことではないかもしれません。
よくあるのは、教師が「親が学校のせいにする」と思い、逆に嫌は「なんでもうちの子が悪いことにさせられる」という、考えや思いの行き違いです。
親と教師の対立は、発達障害の子どもにとって良いことはなく、学校での居場所をなくしてしまうことにつながりかねません。
親と学校側がお互いに話し合い、子どものためにもっとよい方法を、という姿勢で一緒に考え対応していく姿勢が大切です。
担任教師の負担も大きい
発達障害児を持つ親の中には、発達障害のことを教師に理解してもらいたいため、分厚い専門書を担任教師に渡して「この本を読んでください」と求めるケースもあるそうです。
しかし、担任教師はただでさえ忙しい仕事な上、さらに負担をかけることになり、学校側の理解を得るのにふさわしい親の行動とは言い難いところがあります。
生徒からみれば先生は1人ですが、30人1クラスの場合、担任教師からみれば30人のうちの1人なのです。
現在、特別支援教育の施行で子どもたちひとりひとりに合った支援を行うことになってはいますが、現実的には特定の子だけに時間を割くのはなかなか難しいものでしょう。
そうした教師の状況についても親は理解した上で、担任教師と親がお互いに助け合い、協力しながら、信頼関係を築いていくことが望まれます。
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