一度は聞いたことがあると思いますし、実際に診断されたという方もいると思いますが、心の病気のひとつに「自律神経失調症」があります。
今回は、
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- 自律神経失調症とは?
- その症状や特徴は?
- なぜ自律神経失調症になるの?
についてお伝えしたいと思います。
心の病気、自律神経失調症とは?
近年、自律神経失調症という病名を目にしたり耳にしたりする機会が増えてきているように感じます。その「自律神経失調症」ですが、具体的にどんな病気、症状なのか、について一緒にみてみましょう。
まず最初にハッキリと断言しておきますね。
自律神経失調症は病名ではない。
ということを踏まえた上で・・・
日本心身医学会によると、
自律神経失調症とは、「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」
と定義されています。(ただし暫定的に)
また、国際的には、
自律神経失調症とは疾患名ではなく「神経症やうつ病に付随する各種症状を総称したもの」
というのが一般的な理解となっています。
自律神経失調症の特徴・症状は?
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスがくずれたときにおこる様々な症状・反応の総称です。
その症状はいろいろあって、
- めまい
- 頭痛
- 動悸
- 息切れ
- 慢性疲労
- 不眠
- 微熱
- 便秘や下痢
- 手足のしびれ
- 肩や首の張りやコリ
- 耳鳴り
- 冷え性
- 肌荒れ
- できもの
- 吐き気
- 貧血
- 腹痛
といった症状から、さらには、
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- うつ病
- パニック障害
- 過敏性腸症候群
- 頚性神経筋症候群
- 身体表現性障害
などにも及びます。
また、場合によっては「適応障害」と診断されることもあります。
実は、病院で検査をして何も原因が特定出来ない時に自律神経失調症と診断される、ことになります。患者を安心させるために何かしらの病名をつける、という意見もあるくらいです。
なぜ自律神経失調症になるの?
なぜ、自律神経失調症になるのでしょうか?
その大きな原因・要因は「ストレス」です。
このストレスには、身体的なストレス、心理的なストレスの両方を含みます。
ストレスがどんどん増え、その人が許容できる範囲を越えたときに、交感神経と副交感神経のバランスがくずれて、自律神経がエラーを起こし始めるわけです。
自律神経とは、私たちの生命維持機能と密接な関係にあります。例えば、体温調節や細胞分裂、内蔵機能などですね。その自律神経にエラーがおこってうまく動かなくなると、
- 風邪ではないのに、微熱状態が続く
- 肌荒れがひどくなる
- よく眠れない=不眠症になる
- おなかが痛い=腹痛
といった症状があらわれる、ということになります。
ですので、内科で自律神経失調症と診断されたときは、精神科や心療内科などで心理カウンセリング・薬の服用による治療を受けることを勧められていることが多いみたいです。これもストレスの緩和や解消を目的にしていると考えると腑に落ちるアプローチですね。
自律神経失調症の治療方法、治し方については、また今後詳しくお伝えしますね。
まとめ
- 自律神経失調症は病名ではない
- 様々な症状・反応を総称して自律神経失調症と呼ぶ
- 自律神経失調症の主な原因はストレス
◆この記事は、東京工業大学名誉教授、精神科医、医学者である影山任佐先生執筆・監修の「図解雑学 心の病と精神医学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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