再発予防とうつ病患者の社会復帰について
うつ病は回復まで症状が一進一退するのを繰り返し、回復してからも再発の恐れがあります。
職場復帰をスムーズに行い、再発を予防するためのポイントについてお伝えします。
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うつ病の回復後の治療
うつ病の治療は、始まってから最低でも3ヶ月以上の時間がかかるといわれており、症状も少しずつ回復へと向かっていきます。
しかし、うつ症状が回復した後も、再発予防の治療を続けることが重要です。
寛解、再燃とは?うつ病の経過を意味する言葉
うつ病の回復までとその後の経過を表すのに、「寛解・再燃・回復・再発」の4つの専門用語があります。
寛解とは、症状がすべて消えたことを意味する言葉です。
再燃とは、寛解してから2ヶ月以内に症状が再び起こり、うつ状態に戻ってしまった場合をいいます。
回復とは、寛解が2ヶ月以上続けば、うつ病から回復したといいます。
うつ病の回復後、つまり、寛解から2ヶ月以上が経過した後、再びうつ病を発症する場合があり、これを「再発」といいます。
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うつ病の継続期治療と維持期治療
うつ病の継続期の治療では、再燃を予防することを目的とします。
寛解した後でも、継続治療として抗うつ薬を4〜9ヶ月にわたって服用します。
維持期の治療では、うつ症状のない状態を引き続いて維持させ、再発の予防を目的とします。
では、治療を維持すれば、うつ病は再発しないのでしょうか。
実は、寛解後1年以内に抗うつ薬療法を中断すると、50%にうつ病が再発すると報告されています。
1年以上服薬を続ければ、再発の割合は10〜15%になります。
このため、回復してからも2年間は、服薬を続けることが勧められています。
回復後も大切なうつ病の薬物治療の継続
回復後のうつ病の再発予防に、抗うつ薬の服薬は欠かせません。
維持期治療が将来のうつ病を予防する効果があることは、実証されているのです。
「もう大丈夫」と安心して服薬を中断せず、回復後、2年間は医師の指示通り服薬を続けるようにしましょう。
◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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