誤診も?うつ病と似ているアルツハイマー型認知症
老年期を迎えると、脳の変化から脳血管障害やアルツハイマー病など、うつ病に似た症状の病気がおこります。
適切な治療をおこなうためには、慎重な診断を受けることが重要です。
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うつ病の誤診を避けるために検査は欠かせません。
うつ状態をおこす認知症
脳の病的な変化にともなって、高齢者には「認知症」になる人がいます。
認知症は脳の障害によって、脳の機能が損なわれ、思考力や記憶力などの知的能力の低下がおこり、以前は「痴呆」と呼ばれていました。
代表的な認知症には、脳梗塞が原因となる「脳血管性認知症」、神経細胞の変化によっておこるアルツハイマーが原因の「アルツハイマー型認知症」があります。
認知症になると、「食事をしたかわからない」「ここがどこかわからない」「同じことを何度も聞いたり、言ったりする」など、日常生活に支障をきたすほど知能が低下します。
この認知症の初期に、うつ病と似た症状が現れることが多いのです。
アルツハイマー型認知症のうつ症状
アルツハイマー病は、大脳に老人班や神経原繊維変化があらわれ、脳の神経細胞の変化や脱落が起こり、脳の機能が低下する病気です。
病気が進行するにつれてインチ症の症状が顕著にあらわれるようになりますが、初期にはうつ気分や不安、焦燥感、無関心など、うつ病に似た症状がみられます。
しかし、うつ病と違い、自殺願望や自分を責める罪責感、微小妄想はあらわれません。
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また、人から質問されると見当違いの答えを返したりします。
たとえば「朝ご飯は食べましたか」の質問に対して「朝は朝日ですよ」などと答えることがあります。
このように老年期には、うつ病と間違えやすい病気をおこしていたり、うつ病と合併する事も少なくありません。
このため、高齢者の場合、脳のCTやMRI、SPECT検査を実施し、脳に以上がないかを確認しておく必要があります。
うつ病と誤診されやすい認知症の症状
・脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)による認知症
・アルツハイマー型認知症
知能の低下(認知症の症状)
【健忘】
物覚えが悪くなるという新しく体験したことを覚えておく能力=記銘力
【見当識障害】
日時、場所、相手が誰か分からなくなる
【思考障害】
物事を筋道立てて考えられなくなる
【認知障害】
物事を見分け、胴体小碓米価判断する力の低下
こころの症状(認知症の症状)
【夜間せん妄】
夜になると言動に異常が出て落ち着かなくなる
不眠、不安、幻覚、妄想、興奮など
身体の症状(認知症の症状)
【先行、嚥下障害】
運動マヒなどの障害がないのに動作が的確にできない、食べ物をうまく飲み込めない
失禁、衣類が着れない、お箸で食事がとれないなど
行動の症状(認知症の症状)
・徘徊
・暴力
・介護を拒否
・泣き叫ぶ
・ののしる
・無気力
・異食(食べられないものを口にする)
◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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