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アルコール依存症とうつ病の関係とは?

うつ病とアルコール依存症が合併しやすいことは、精神科医の間では常識になっています。

うつ病にアルコール依存症が加わる割合は約5%程度ですが、その逆のアルコール依存症にうつ病が併発する割合は40%くらいと高くなっているのです。

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アルコール依存症とうつ病の関係について

アルコール依存症になると、ホルモンや体内時計などの生物リズムに変化がおこります。

そして、メンタル面においては、うつ気分や気持ちの落ち込み、だるさややる気の低下、倦怠感などうつ病と似た症状が現れます。

さらに大量の飲酒を続けていると、うつ病の要因である脳内の神経伝達物質の不足などの生物学的な変化が生じます。

たとえば、飲酒で酔いを感じて気分がよくなり、飲み過ぎた翌朝に二日酔いでうつ気分が強く出るのは、脳がアルコールの薬理作用の影響を受けているからです。

そして、依存症になるほど飲酒するようになると、家庭生活や社会生活が悪化し、家庭や友人が離れていき、場合によっては失業=職場を追われることもあります。

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アルコール依存症により孤立した状況は、健康面における心身の不調だけでなく、うつ病を招く心理的なきっかけになるとも考えられています。

アルコール依存症の治療は断酒から

アルコール依存症は断酒が治療の原則です。

アルコール依存症の患者は、ついお酒を飲んでは自責の念に苦しむといった行動を繰り返します。

この場合、飲酒をやめれば、アルコール依存症患者のうつ状態はまもなく消え去ります。

うつ病は治療をすればよくなりますが、アルコール依存症は回復しても治る病気ではありませんので注意が必要です。

うつ病以外に病気をつくらないように断酒をしましょう。

アルコール依存症の進行過程

・宴会や付き合いで時々飲む(機会飲酒)
・毎日飲む(常習飲酒)
・酒の量が増える(耐性)
・禁酒や節酒ができない(精神依存)
・手の震え、不眠などの離脱症状(身体依存)
・飲酒を始めると抑制できない(連続飲酒発作)
・断酒期と大量飲酒期を繰り返す(山型の飲酒サイクル)

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心身の不調につながる

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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