うつ病になるのは性格だけが要因ではない
本人の性格が原因でうつ病になる、と言われることがよくあります。
実際に、次のようなうつ病になりやすい3つの性格タイプがあるといわれています。
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それぞれの性格タイプについてまとめてみました。
性格タイプ①執着気質
・下田光造の説 1941年
・熱心、凝り性、正直、几帳面、強い正義感、義務感、責任感
・一度起こった感情が持続、あるいは強くなりやすい。
性格タイプ②メランコリー親和型
・テレンバッハの説 1941年
・義務や作業を綿密に行う。
・対人関係では献身的。
・道徳心が強く、良心的。他人の小さな罪も許すことができない。
性格タイプ③循環気質
・クレッチマーの説 1921年
①人づきあいがよく、親切、気さく
②おおらか、ユーモアに富む、元気、
③物静か、柔和、苦労性
※①は共通して認められるが、②と③はいずれかにかたよる。
※②は酒や異性にのめり込みやすく、③は頑固で、裏切られたと感じやすい。
性格だけがうつ病のなりやすさではない
うつ病と診断される場合、患者さんはこれらの3つの性格か、それぞれの特徴のいくつかをそなえていることが多く見られます。
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しかし、こうした性格の人が必ずうつ病になる、というわけではありません。
仕事熱心で几帳面、凝り性の執着気質の人が必ずうつ病になるかといえば、そんなことはありません。
負担を感じる度合いには個人差がありますし、性格だけが直接的なうつ病の要因と決めつけることはできないのです。
むしろ、なりやすい性格をもった人が葛藤をもたらす状況と出会ったり、脳や身体の病気におちいったりと、要因を重ねるところにうつ病を発症させる仕組みがあるのです。
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・うつ病になりやすい性格
・心理的要因(ストレス)
・生物学的要因
・外因的要因(脳や身体の病気・薬物)
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『うつ病の発症』
うつ病になりやすい人の苦しみ
①上司や同僚、知人の賞賛がないと自己評価できない
②保守的で秩序にこだわり、めまぐるしい変化においつけない
③場の雰囲気を重視し、個性的な人間関係を成り立たせることが下手
④対人関係には配慮をおこたらないが、私生活ではわがまま、がんこ、甘えがあり、夫婦間や親子間で強い葛藤を起こしやすい
◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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