妄想がうつ病の原因に?思考パターンや思い込みの影響は?
本人の妄想や思考パターン、思い込みや偏見などがうつ病の原因になるのでは、と考えられています。
うつ病と妄想にどのような関係があるのでしょうか。
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うつ病患者に多い「微小妄想」
【罪業妄想】
・過去の小さな過ちを悔やみ、失敗をすべて自分の責任だと思い込む。
・思い込みの念が強くなると、周囲の説得も聞き入れなくなる。
・自責の念が強くなると、自殺を図ることもある・
例「会社に迷惑をかけたり、全社員の前でつるしあげられるのは当然だ」
【貧困妄想】
・実際には経済的な問題はないのに、貧窮していると思い込む・
例「お金がなくなったので、このまま入院していられない」
【心気妄想】
・ささいな体調の不良を死に至る重病だと考え、診療を頻繁に受けたり、病気ではないという医師の説明や検査結果を受け入れられない
例「自分は全身がガンに侵され、助かる見込みはない」
うつ病患者に多い思考のゆがみ
【二分割思考】
白か黒かという極端な考え
例「提案を聞いてもらえないなら、辞職するしかない」
【拡大視・縮小視】
失敗や欠点を拡大し、自分を過小評価する
例「料理を焦げつかせた自分は主婦としての自覚がない」
【過剰な一般化】
一部のことが全体に及ぶと思い込む
例「こんなミスをするのだから、今回の仕事はすべて失敗だ」
【責任の個人化】
悪いことはすべて自分のせいだと思い込む
例「親としての熱意が足りないから、子どもの成績が落ちた」
【感情的理由づけ】
感情によって判断し、冷静に判断できない
例「これだけ不安に支配されていれば、どんな問題でも解決できない」
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一日のうちに気分が変わる、うつ状態の日内変動
感情面・思考面・意欲面に現れるうつ状態は、朝のうちに強く、午後から夕方にかけて軽くなっていく傾向があります。
軽症のうちは、夜になるとうつ病が治ったのかと思うほど、気分が楽になることもあります。
しかし、翌朝には、もとのうつ状態に戻っています。
こうした朝夕の気分の変化を「日内変動」と呼び、うつ病に特有な症状であり、診断の根拠にもなります。
うつ病がおびきよせる「死にたい」という考え
希望を失ったり、自責の念にかられて「自分はいない方がいい」「消えてしまいたい」と思い悩んだ末に「自殺企図(自殺を試みること)」を起こしてしまうのも、うつ病の特徴的な症状です。
意外かもしれませんが、うつ病の自殺企図は、うつ状態が重い時期よりも、重くなる前の時期や回復期に多く見られます。
うつ病の症状が重い時期には、自殺を試みようとする意志があっても、決断力や実行力を失っており、自殺には至りません。
治療によってうつ病が回復へ向かい、家族や医師が気をゆるめたすきに、自殺を企てることも少なくないので注意が必要です。
うつ病の症状/感情・思考・意欲
【感情面】
気分が晴れない
憂うつ・不安・悲観・焦燥
気がめいる、悲しいなど、不快な気分にとらわれ、自責的、絶望的になる。
【思考面】
考えが前に進まない
ネガティブ思考・グルグル思考
思考停止とともに判断力や集中力も低下し、声をかけても返事が遅くなる。
【意欲面】
ゴロゴロしてしまう
おっくう感
何もやる気が起こらず、熱中していた趣味でさえ手を出さなくなる
『うつ病の日内変動』
うつ病患者のうつ状態は朝方には強く、午後から夕方にかけて軽くなる
◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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