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うつ病での代表的な3つの心の症状とは?

うつ病になると、感情面・思考面・意欲面の3つの面で心の働きが鈍くなり、日常生活の上でもさまざまな支障が出てきます。

感情面では憂うつな気分が続くのがうつ病の特徴

うつ病になると、感情面では主に次のような不快な気分が続きます。

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・憂うつな気分がとれず、ふさぎ込んだままの状態が続く
・気分の落ち込みが解消できない
・不安が大きく、将来に対する希望がもてない
・イライラして起こりっぽい
・悲観的で自責の念が強くなる
・消えてしまいたいという気持ちになる

これらの症状は「抑うつ気分」といい、うつ病の典型的な症状です。

うつ病の程度が軽症の場合、こういった抑うつ気分にかろうじて耐えることができ、周りから見ると外見的には本人は笑顔で話すことができます。

ですが、家族や友達などが話を本人からよく話を聞いてみると、本人は抑うつ気分にとらわれていることがわかります。

うつ病が重症になると、感情自体が乏しくなり、ついには喜怒哀楽の感情も消えてしまいます。

場合によっては、何かに追いつめられているような不安や焦りが強くなり、立ったり座ったりを繰り返して落ち着きがなくなります。

不安や焦りなどは高齢者のうつ病に多く認められ、家の中をウロウロしたり、ときには激しい苦悶をみせたりすることもあります。

否定的になったり前に進まない思考面もうつ病の特徴

うつ病の場合の思考面では、考えが進まずブレーキがかかったように頭が働かなくなります。

また次のような症状が顕著になるのもうつ病の代表的な症状といえます。

・判断力や集中力が低下する
・考えが前に進まず、同じことばかりの繰り返しになる
・何をしてもムダと虚無的な考えにとらわれる
・最悪の結末ばかり考える
・過去の失敗を悔やみ、悲観的になる

こうした思考の流れの停滞や思考力の低下、ひとつの考えにぐるぐるととらわれてしまい考えが進まない状態を「思考停止」といいます。

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うつ病になりやすい人が考える内容は、何事も悪い方に思い込んでしまうマイナス思考やネガティブ思考がほとんどで、考え方が極端に偏った「思考のゆがみ」にとらわれることが多くなります。

周りの人から見ればささいな事や、取り越し苦労に過ぎないことでも、思考に柔軟性がなくなっていることから、本人は思いつめてしまい、自分自身で気持ちを最悪な方向へ追い込んでしまうようになるのです。

その結果、判断力の低下もあって、急に辞表を提出したり、離婚を言い出すなど、突飛な行動に出る場合があります。

また、自分自身を過小評価することで、罪業妄想や貧困妄想、心気妄想などの「微笑妄想」にとらわれることがあるのもうつ病の特徴といえます。

生気がなく、やる気が起こらない意欲面でのうつ病の症状

うつ病の意欲面では、動作はゆっくりで活気に乏しく、表情も生気に欠けるようになり、次のような症状が出てきます。

・何かをやろうとする気が起こらない
・物事に取り組むのがおっくうになる
・自分から進んで行動できない
・人に会うのが面倒になる
・趣味にも関心がなくなる
・食欲が減退し、食事も面倒になる
・性欲が減退する

こうした意欲の低下や行動が鈍くなる状態を「精神運動制止」といいます。

うつ病ではこの制止のために、やらなければいけないと頭ではわかっていても、「おっくう」とか「だるさ」のために動けないと訴えることが多くなります。

制止が軽度の場合は、自分にむち打って努力を重ねれば、なんとか慣れた仕事ならばこなせます。

しかし、新しいことを企画して実行に移すなど、自分が積極的に関わって事業を始めるような業務は非常に困難になります。

制止が強くなると、どんなに努力しても仕事が手につかなくなり、さらにひどくなると、入浴や洗面、着替えなど、日常生活の動作も面倒になります。

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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