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大丈夫なうつ病と病的なうつ病がある?

憂うつや落ち込みなどのうつ状態には、自然な回復が期待できる心配のないうつ状態と、自分の意志ではどうすることもできない病的なうつ状態である、うつ病があります。

解消できないうつ状態が病的なものになる

日々の生活の中では、誰もが憂うつになつことがあります。

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仕事で大きな失敗をしてしまったり、家族や親しい人が亡くなったりすると、気分がふさぎ、落ち込んでしまいます。

こうした憂うつな気分は原因がはっきりと分かっています。

たとえつらくても、家族や友人のサポート、時間の経過とともに、うつ状態も薄れ、やがて自然と立ち直っていきます。

また、解決しなければならない問題があり、それが憂うつの原因になっている場合でも、その問題に決着がつければ気分は晴れていきます。

こうした経過をたどって改善されていくうつ状態は、ごく自然なもので、大きな心配をする必要はありません。

注意しなければならないのは、あまりにも精神的な負担が大きく、意識せずともそれが常に負担となった場合です。

重荷を背負う状態が続くと、いつしか病的なうつ状態にはまり込んでしまうことがあるのです。

うつ状態が2週間以上長引くとうつ病の可能性がある

心配のないうつ、すなわち健康なうつ状態と病的なうつ状態はどのように見分ければいいのでしょうか。

気分が落ち込んだ原因によって健康なうつ状態と病的なうつ状態を区分することはできません。

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ストレスの受け止め方とうつ状態から回復する力は、個人差が大きいからです。

ですので、うつ状態の程度やその持続期間の長さによって便宜的に分けることしかできません。

うつ病かどうかのおおまかな目安としては、病状の強さや継続期間、日常生活での支障をきたす程度をものさしにして考えます。

いつまでも優うつな気分が続き、それが2週間以上継続している場合には、そのうつ状態は病的なもの、「うつ病」と診断するものと考えられます。

健康なうつ状態と病的なうつ状態の違い

健康なうつ状態

【悲しみの体験との関係】
体験の直後から生じる
家族や友人の励まし、自分の努力で元気が取り戻せる

【症状の程度】
軽く、短い

【社会生活】
支障がない

病的なうつ状態

【悲しみの体験との関係】
少し遅れて始まる。もしくは関係なく起こる。

【症状の程度】
重く、2週間以上続く

【社会生活】
支障をきたす

健康なうつ状態の特徴

・元気のなさや気の滅入りは軽く、2週間以内に消失する
・原因となる出来事があり、うつ状態が生じた経緯を納得しやすい
・周囲の人との交流が保たれ、通常の生活が送れる
・死んでしまいたいという気持ちは少ない
・妄想は認められない

病的なうつ病かどうかは、うつ状態が2週間以上続くかどうかがおおまかな目安になります。

一時的なうつ状態はうつ病ではなく、長く続くうつ状態だとうつ病の疑いがあります。

気になる場合は早めに近くの病院を受診しましょう。

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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