適応障害の例・体験記・体験談について
適応障害は、大人も子どもも発症する可能性がある病気です。
適応障害の具体例・体験記についてみてみましょう。
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20代のAさんの場合 | 最初は営業の仕事だったが
Aさんは大学卒業後に会社に入社、すぐに営業部に配属されました。
もともと人と会うのも身体を動かすのも好きだったので、営業の仕事として取引先の会社を回ることは苦ではありませんでした。
20代の若いAさんは、毎日バリバリと張り切って仕事をしていました。
異動(配置転換)が原因となって適応障害に
そして、Aさんは就職してから5年目に、辞令が出て総務部に異動することになりました。
今度の部署での新しい仕事は、デスクワークが中心です。
周囲の総務部の人は「出世コースじゃないか」と励ましてくれるのですが、Aさんは異動にショックを受け、新しい部署では仕事に身が入らず集中できません。
毎日毎日、パソコンに向かっての仕事に面白みが感じられず、しんどい気持ちがふつふつとわき上がってきます。
相談相手がいないとストレスがたまりやすい
「今の仕事がつまらない」など、上司に相談できない、とAさんはひとりで悩みを抱え込んでしまいます。
最初のうちは、昼食を誘ってくれていた会社の同僚も、毎日暗い顔をして愚痴ばかり言うAさんを誘いづらくなってきました。
昼休みにもポツンと一人で食事することが多く、食欲ないから、と食欲不振になっていきます。
ぼーっととしているうちに休憩時間が終わってしまう、という日々を過ごしていました。
普段は元気なのも、適応障害の特徴
ところが会社が休みの日は、本来の調子を取り戻し、学生時代の友人たちとの飲み会では元気そのもので楽しむことができます。
大学時代のサークルの同窓会など、飲み会の幹事をかってでるくらいです。
でも、朝になるとどうしても会社に行く気がおきません。
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欠勤することにしたのですが、1日休むとつい休み癖がついてしまい、欠勤がダラダラと続くようになってしまいました。
子どもや学生でも適応障害になるケース
もうひとつの適応障害の例は、中学生のBクンのケース。
引っ込み思案で人づきあいは得意な方ではないので、友達も少ないBクン。
学校でも部活にも入らずに、2年後の高校受験にそなえて進学塾に通い、学校が終わるとすぐに帰宅し塾へ通う日々。
親の喧嘩が原因で適応障害に?
学校での成績は中の中で、ちょうど真ん中くらいですが、本人は特に危機感はありません。
ところが、Bクンの両親、特に父親は教育熱心で、Bくんのテストにもすべて目を通して母親にもしっかり管理するように厳命していました。
単純ミスなどをゆるさない父親とBくんとの間を母親は取り持ってくれていたのです。
さらに、父親はBクンに対してだけ厳しいのではなく、母親にも小言や文句が多く、ささいなことでも厳しく叱る父親に母親は我慢できず、2人はしょっちゅう夫婦喧嘩をしていました。
「お前が甘やかすからだ!」
「私のせいにしないでよ!」
頻繁に自分のことでケンカになり、Bクンはそれを見ているのも嫌でした。
ある日、ついに母親が家を出てしまい、別居状態になってしまいます。
母親の家出です。
それ以降、Bクンは塾にも行きたくないし、誰もいない家にも帰りたくない、という気持ちになってしまいました。
学校が終わったら家にも塾にも居場所がない、塾に行っても成績が上がらないし・・・。
両親の別居は続き、Bくんは塾をサボるように。
深夜の街をウロウロ、家に帰っても母親はいないし、こわい顔の父親に怒られるのも嫌でした。
父親に口答えをするようになり、ときには暴力をふるうこともあるBクン。
勉強もすっかりやる気がなくなりました。
ある日、Bクンはコンビニで万引きをしてつかまって通報されてしまいした。
◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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