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治る?治らない?適応障害を克服し完治するためには

適応障害の患者本人や家族が考えることは「適応障害は治るの?それとも治らないの?完治する病気なのか?」ということだと思います。

適応障害は、薬をつかった薬物療法で症状を抑えながら、カウンセリングなどの精神療法を続けていくうちに、ほとんどの人は回復し完治していきます。

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経過からみる適応障害の治癒・回復

適応障害は比較的治りやすい病気です。

適応障害を発症してから5年後の状況を見ると、多くの人が治癒しています。

ただ、適応障害が重症化したり、ストレスを乗り越えられなかったりして、うつ病やアルコール依存症など他の精神疾患(精神病)を発症している人も少なくありません。

特に子供や青年では、ほかの精神疾患を併発したりうつる場合が多いので、慎重に経過をみていくことが大切です。

大人の場合

軽度のうつ病や、高齢者なら認知症との区別をしっかりとつけることが大切。

適応障害の場合、7割以上が治癒している。

【5年後】
完全に良好 71%
うつ病・アルコール依存症 21%
やや精神的に問題がある 8%

子供・若者の場合

病状が慢性化していたり、行動の障害があると2次的、3次的な障害に至ることがある。

別の病気の前ぶれや兆候として、適応障害があらわれていることも多い。

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【5年後】
精神疾患がない 44%
やや精神的に問題がある 13%
統合失調症やうつ病・パーソナリティ障害など 43%

ストレスに強くなるために

適応障害は回復し克服することができる病気です。

病気の回復は新しい自分のスタートです。

適応障害が治った人のほとんどは、今までの自分と変わったと言います。

身体の免疫力がつくように、心の病気でもストレス耐性がつくようです。

今後また別のストレスに遭遇しても、乗り越えていけるようにストレスに強い人間になることが、適応障害など精神疾患を完治させるために重要です。

ですが、病気の回復が進まず、どうしてもストレスに対処できなければ、現在の状況を変えるのもひとつの選択肢です。

例えば、職場になじめない場合、健康を犠牲にしてまで働き続けるかを考えて、状況によっては転職することもいいでしょう。

ストレス耐性を強くするために | 適応障害の克服・完治

「ストレスに耐え、対処してく力はどのようにつくられるのか」について、アメリカの医療社会学者アントノフスキーは「健康生成論」としてまとめています。

良質な人生経験やストレスをうまく処理した経験から、SOC(首尾一貫感覚)が高まる。

信頼できる人の支えを得て、困難に立ち向かい、自分は耐えれると感じる力がつく。

SOCとは、Sense Of Coherenceの略です。

・出来事や状況は、予測・説明できると感じられる。
・家族や友人、同僚、上司などの力をかりて、なんとかできると感じられる。
・人生は生きる意味があると感じられる。

健康的なストレス解消法を身につけるのも、ストレス耐性を高めるよい方法です。

ペットの散歩は自分の運動にもなりますので、ペットを飼うのもおすすめです。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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