まじめで几帳面、いい人ほど適応障害になりやすい?
適応障害になりやすいのは、がんばりすぎるタイプだけではありません。
まわりの人から見ると、まじめで几帳面、責任感もあってがんばり屋な人が適応障害になりやすい傾向があるようです。
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いわゆる「いい人」なのですが、まわりの人に気をつかいすぎて疲れきってしまう面もあります。
まじめ、努力家、まわりの人に気をつかいすぎる人は要注意
ストレス耐性の強弱にくわえ、個人の気質、性格の面も、適応障害になりやすいかどうかに関連しているといえます。
適応障害の人の多くは、まじめで努力家、職場ではコツコツと仕事を進め、少々無理でも残業して仕事を片付けようとする面があります。
一方で、まわりの人からの評価を気にして、何か言われると過剰に気にしたり、自分を抑えてでも相手に合わせようとするところがあります。
そんな日々ではストレスもたまりやすくなってしまいます。
適応障害の発症は、体質にも関連があり、特に自律神経のコントロールがうまくいかない人は、適応障害になりやすいのです。
動悸、めまい、息切れ、低血圧、頭痛など、自律神経系の症状としてあらわれやすくなります。
職場で適応障害になりやすい人とは
会社などの職場で適応障害になりやすいのは、新入社員やがんばりすぎる中堅社員です。
新入社員の場合
就職したものの、入社してから職場の雰囲気に馴染めず、人間関係もあまりうまくいきにくい。
意欲をなくし、仕事にも支障が出てくる。
相談する相手がいないと、内にこもって一人で悩みを抱え込んでしまい、ますます職場に馴染めなくなるという悪循環に陥る。
中堅社員の場合
仕事量が増え、責任も増えてきた時期。
つらくても断ることができず、無理にがんばろうとする。
自分を叱咤激励して「できる人」の評価を得ようとする。
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そんな状態は長くは続かず、仕事量を減らさないと、心も身体も燃え尽きて抑うつや不安を伴う適応障害になることも多い。
また、やけくそな気分から行為の障害を伴う適応障害になる場合もある。
大きなミスにつながり、会社が損害をこうむる事態にもなりかねない。
適応障害になりやすい性格、傾向は?
次のような人は、適応障害になりやすい性格、傾向といえます。
性格というより、気質といった方がピッタリ当てはまりそうです。
さらには個人の体質も関係しています。
感情の起伏が激しい
感情の表し方、処理の仕方がわからない。
喜怒哀楽やイライラを極端に表にだしてしまう。
傷つきやすい
まわりの人には理解できない程度のささいなことでも傷つく。
本人のプライドの高さが関係していることも。
白黒思考
物事を白か黒かで判断し、グレーの部分を認められない。
100点でなければ0点と同じ、というように考えやすい。
自律神経失調症傾向
ストレスは自律神経を介して脳に影響する。
貧血、めまいなど、もともと自律神経のバランスが乱れやすい人は、ストレス耐性が低い傾向。
まじめでがんこ
いい加減なことは許せない。
これと思ったことは変更できない、がんこなところがある。
頼まれたら断れない
無理なことや嫌なことでも、断ると相手に悪いと思い、無理に引き受ける。
子どもの頃から親の顔色ばかり気にしていた
適応障害の人は、子どもの頃から「いい子」だった人が多いようです。
周囲の大人の期待を察知して応えてきた「過剰反応」の子どもだったといえます。
わがままを言わず、聞き分けがよく、自分を抑えていたので、大人からの評価は高く、プライドも高い傾向があります。
その反面、自己主張ができず、感情や欲求の表し方がわからなくなっています。
大人のいうとおりにしてきたため、依存的になっているところもあります。
◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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