自己愛性人格障害の患者数が増加している原因は何?
最近、自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)の患者数が増加しているといわれています。
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)の患者割合が増加している原因にはどんな理由が考えられるのでしょうか?
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そこで今回は、自己愛性人格障害が増加している3つの理由について、まとめて書きすすめてみたいと思います。
自己愛性人格障害の患者数は増加している?
そもそも、自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)の患者数は増加しているのか?という点についてですが、日本におけるはっきりとした調査データはないのですが「年々増加傾向にある」といわれています。
何かしらの精神疾患をもっている患者においては、約2〜16%が自己愛性人格障害をもつといわれていることもあり、診断されていない潜在数も含めると、自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)の患者数は実際よりもかなり多いのではないか、と考えられます。
では、なぜ近年になって自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)の患者数が増加してきているのでしょうか?
そこには大きく3つの理由があるようです。
自己愛性人格障害の患者数が増加している3つの理由
自己愛性人格障害と診断される人の割合が年々増加しているといわれ、それには次の3つの理由が考えられています。
①診断することに抵抗感がなくなった
②診断基準DSMの採用が広がっている
③社会状況の変化
自己愛性人格障害の患者数の増加には、現代の社会状況の変化や雰囲気があらわれている、現代的な要因といわれています。
・大事なのは努力より結果
・いつまでも若々しく、美しく
・自分の利益が一番大事
また、家族関係の変化の影響も大きく、ひと昔前と比べると核家族化と少子化が凄い勢いで進んだこともあり、病的な自己愛、ゆがんだパーソナリティを生じさせてしまう一因になっているといえそうです。
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自己愛性人格障害の患者数が増加しているそれぞれの理由について詳しくみてみましょう。
①診断することの抵抗感が下がった
かつてに比べると、近年では「人格障害/パーソナリティ障害」という言葉が広く知られるようになり、診断名によるネガティブなイメージも薄くなってきていることから、自己愛性人格障害と診断することそのものに抵抗がなくなってきていることも、自己愛性人格障害の患者数が増えてきているひとつの理由といえます。
②診断基準DSMの採用が広がった
DSMとは、アメリカ精神医学会による「精神疾患の分類と診断の訂引き」のことで、いわゆる診断基準の意味です。
このDSMの採用が広がってきていることで、自己愛性人格障害の診断がしやすくなっていることも理由のひとつと考えてよさそうです。
③社会状況の変化
ある意味、今の時代の日本においては、社会状況の変化も自己愛性人格障害の患者数の増加に大きな影響をあたえているといえます。
【結果重視】
成果主義、結果重視という姿勢がビジネスの現場だけでなく、家庭や勉強など社会一般に広がってきている。
【競争社会】
人間関係も、物事も、勝つか負けるかが重要ととらえる競争社会の影響も。
【価値観の変化】
心の豊かさよりも物質的なもの、経済的なものを求める傾向が強くなり、人の気持ちを思いやることの大切さが現代では希薄になってきている。
【家族関係の変化】
ひと昔前に比べると、地域や家族の人間関係が変化し、家族が孤立しやすく、一個人を支える環境がなくなってきている。
【人の心のありかたの変化】
人の心のあり方においても大きな変化があり、自己中心的な人が増え、孤立感や孤独感を感じやすく、共感に乏しくなってきている。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現代において、自己愛性人格障害の患者数が増加している原因には、ひとつだけでなくいくつかの理由が考えられています。
社会の変化、家族関係の変化、価値観の変化など、それぞれの総合的な流れが、自己愛性人格障害になりやすい社会をつくっているといえそうですね。
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