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自己愛性人格障害の原因は親の育て方や愛情不足のせい?

自己愛性人格障害の発症原因について、生まれつきの性格よりも、後天的な要因が大きいと考える説があります。

後天的な要因、親の育て方や子育てでの共感不足などが原因ではないか、という説について詳しくみてみましょう。

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愛情不足や共感不足が自己愛性人格障害の原因に

人格障害(パーソナリティ障害)の権威であるコフートによると、自己愛性人格障害の原因は、子供の未熟な自己愛を満たす「愛情や共感」を得られなかったことで自己愛が未発達な状態になってしまったから、と考えられています。

共感とは、子供が自分のしたことについて「ママ、見て!」と言うのに対し、母親が「すごいね!」とほめたり、子供の夢物語をしっかりと聴いてあげることです。

そういった親の共感が子どもにとって不足すると、歪んだ病的な自己愛が育ってしまうというのです。

ですが、自己愛性人格障害の歪んだ自己愛の原因が、すべて親の育て方にあるわけではありません。

子供が共感を得られない理由にもいろいろあるからです。

親の育て方の影響で自己愛性人格障害に?

自己愛性人格障害は、後天的な影響が原因となり、健全な自己愛の成長が止まった状態という説があります。

例えば、幼い子供の頃の自己愛は、「なんでもできる」「こんなにできる」など自己顕示欲の強いものです。

そんな子供が、母親や父親など身近な大人から「すごいね」とほめられ、共感されることで自信を持つようになっていきます。

また、適度にたしなめられたりする経験から、適切な自己評価を身につけ、現実的で成熟した自己愛へと発達していきます。

しかし、愛情不足や共感不足で子供が育つと、自己愛の成長も未熟なまま止まってしまいます。

子供の頃に得られなかった「特別扱い」「ほめる」など自己愛を満たしてくれるものを、大人になっても求め続ける自己愛性人格障害になってしまうのです。

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→自己愛性人格障害の患者の家族関係の特徴について

母親のせい、責任ではない?

自己愛性人格障害は共感不足や愛情不足が原因、と聞くと、「じゃ、親のせい、責任?」と考える人もいると思います。

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確かに、赤ちゃんにとって一番身近な存在は母親の場合が多いものです。

ですが、自己愛性人格障害の発症原因を「母親のせい」と責めても意味がありません。

共感不足のことを共感不全ともいい、それには親子の相性も関係しています。

最新の研究では「育てやすい子」「育てにくい子」の傾向があることがわかってきています。

育てにくい子に対しては、母親といっても共感することが難しく、愛情不足、共感不足となってしまう状況も多くなってしまうのです。

また、子供の育てにくさの原因のひとつに、軽度の発達障害が関係している場合もあります。

▼関連記事

→発達障害だと自己愛性人格障害になりやすい?共通点と違いは?

まとめ

いかがでしたでしょうか。

自己愛性人格障害は愛情不足や共感不足が原因ではないか、という切についてまとめてみました。

こうしてまとめていると、やっぱり、子供時代の経験や体験、発育環境の影響って大きいものだと思いました。

この記事が、子供との関わり方について何か考えるきっかけになればいいな、と思います。

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