リストカットや自傷行為をする理由は?どんな意味があるの?
リストカットなどの自傷行為は、家族や友人などの周囲の人にはなかなか理解できない行動ですが、リストカットをする本人には本人なりの理由や意味があるものです。
自傷行為(リストカット)に対して、適切に対応し、悩み事や問題を解決するためには、まわりの人も、本人も、その行為について正しく理解することが大切になります。
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リストカットなどの自傷行為をする理由や気持ちとしては、例えば、絶望感や強い不安感が思い浮かぶという人が多いかもしれません。
しかし、実際には、状況によって自傷行為(リストカット)をする理由や意味、目的はさまざまです。
家族や恋人などの近しい人たちが、本人にとってどのような意味や心理があるのかに目を向けず、ただ自傷行為を「やめる」「やめさせる」ことだけを目標としても、なかなか問題解決にはつながりません。
不安や絶望、怒りをコントロールしたい
リストカット(自傷行為)に考えられる、意味や目的のひとつに、「不安や絶望、怒りなどのネガティブな気持ちを、自分でなんとかコントロールしたい」という潜在的な心理があるケースも少なくありません。
不安や絶望、怒りといった、本人にとってつらい感情を、身体的な痛みによって断ち切ることを目的(意味)として、リストカットや自傷行為をしてしまうのです。
つまり、強い怒りの気持ちや不安感情を、自分自身の身体に向けてしまう、ということになります。そうすることで、一時的でも、自分の不安や怒りなどの感情をコントロールできる、という意味があると考えられます。
憂うつ感、無気力感、空虚感から逃れたい
「ネガティブな感情から逃れたい」という潜在的欲求が、リストカット・自傷行為の行動にうつさせてしまうケースもあります。
ネガティブ感情とは、例えば、憂うつな気持ち、やる気が出ない無気力感、むなしさ、倦怠感、だるい、面倒臭い、といったいわゆる負の感情たちです。
人は誰であっても、ネガティブな感情を抱くことは気持ちいいことではありません。そうした負の感情から逃れたい、抜け出したい、という心理が無意識的に働いていることもあります。
生きている実感、身体の感覚を取り戻したい
日常生活の中で、自分が生きている実感や手応え、生きている意味が感じられなくなると、とてつもない空虚感(むなしさ)におそわれてしまうものです。
「生きている実感がわかない」というむなしさや、「自分の身体が自分のものじゃないように感じて落ち着かない」という不安感にのみこまれてしまうのです。
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そうした心理的背景があって、「生きていることを確認する」「自分の感覚を取り戻す」ことを目的としてリストカット・自傷行為をする人もいます。
心の痛みを身体の痛みで紛らわせたい
強い精神的苦痛(ストレス)を感じたときに、身体に痛みを生じさせることで、心の痛みが意識できないようにする目的で、リストカット・自傷行為をする人もいます。
本人が感じている心理的ストレスの大きさや強さは、その人にしか「つらさ」が分からないものです。「つらくてしんどい心理的ストレスから救われたい」「精神的な苦痛から逃れたい」と考え、リストカット・自傷行為をすることで、肉体的な痛みを感じ、精神的ストレスからほんのひとときでも逃れることができるのです。
リストカット(自傷行為)を繰り返す本人にとっては、身体の痛み(傷の痛み)が精神的な救いになる場合もあり、心の痛みを身体的な痛みに替える方法しかできないのです。
メッセージを伝えたい
自分が心に感じている「つらい気持ち」を周囲に訴えるための「メッセージ」として、リストカットなどの自傷行為をする場合もあります。
心理的側面から考えると「聞いてほしい」「わかってほしい」というような「SOSのメッセージ」であることも考えられます。
生きていることが実感できる
痛みを感じたり、流れる血を見ると、不快な感情が断たれ「自分が生きている」という手応えを実感できるという場合も少なくありません。
また、自分の中にたまった感情から解放される、一瞬心が軽くなる、という快感のために、リストカットを繰り返す場合もあります。
リストカット・自傷行為を繰り返す原因とは?
激しい感情に振り回されてしまう
急激にわき起こる気持ちに動かされて傷つけてしまいます。
激しい感情をコントロールしたり、自分の感覚を取り戻すためにリストカットや自傷行為をします。
しかし、それでは一時的な解決にしかならず、もともとの問題が解決されないため、リストカット・自傷行為を繰り返すことになります。
心の痛みを和らげるほかの方法を持っていない
本来、精神的な苦痛を和らげる方法はたくさんあります。
ところが、何らかの要因で、自分の身体を傷つける方法以外に、精神的苦痛を和らげる方法を思いつかなくなってしまい、何度もリストカットや自傷行為を繰り返してしまうのです。
自分を傷つけることが必要な行為と感じている
自分でも頭ではリストカットすることは「よくない」とわかっていても、感情をコントロールする手段として自傷行為・リストカットを必要な行為と感じていて、なかなかやめることがなかなかできません。
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