障害年金、障害者手帳について | 統合失調症の場合 | キッズメンタルねっと

病気になったことで、経済的な不安が高まり、生活に支障が生じることのないよう、統合失調症などの精神障害は福祉施策の対象となっています。

統合失調症になると、本人が仕事を続けられなくなったり、患者本人を家族で支えるために家族が仕事を辞めなければならないこともあります。

経済的な問題は、患者や家族の生活を圧迫する要因となります。

これらの負担を軽減するために「障害年金」と「精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)」の制度を有効に活用しましょう。

「障害年金」は、初診日に保険料を払い込んでいる場合に支給されます。

ただし、初診日に２０歳未満だった人は、保険料を払い込んでいなくても年金を受け取ることができます。

統合失調症の患者の場合にも、障害年金を受給できる場合があります。

「精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)」は、精神科の病気に長期間かかっている人で、初診から6ヶ月たった時点で手続きができます。

１級から３級までの等級があり、それによって受けられるサービスが異なります。

サービス内容には、税金の控除や減免、公共施設利用の割引などがあります。

精神障害のために、長期にわたって日常生活や社会生活に制約のある人

１〜３級まで。
精神疾患による日常生活・社会生活に障害される度合いによって等級が決まる。

初診日から6ヶ月以上経過すると申請できる

・医師の診断書
・本人が書いた申請書

各自治体の申請窓口

２年間（更新が可能）

・公共施設利用料のサービス
・バス運賃の減免
・税金の控除や減免
・地下鉄や電車などの運賃サービス
・医療費助成または助成手続きの簡素化
・ホームヘルプサービスなど、自治体によってさまざま

初診日において、厚生年金・国民年金に加入している人

厚生年金は１〜３級。国民年金は１〜２級。

初診日の前々月までに被保険者期間の3分の1以上の滞納がないこと。

初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日、または1年6ヶ月以内に治った場合には治った日（その病状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む）

・障害給付裁定請求書（勤務先や自治体からもらう）
・医師の診断書（主治医からもらう）
・受診状況等報告書（初診日を確認するため最初にかかった医療機関でもらう）
・病歴、就労状況等申立書（本人が記載する）

各自治体の提出窓口

等級によって異なる

・年金事務所
・共済組合事務所
・市区町村役場の年金係
・民間の障害年金相談センター
・ケースワーカー
・医療ソーシャルワーカー

※詳しくはお住まいの地域の市区町村、年金事務所へ相談してください。

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症（講談社）」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。