【社会不安障害の治療体験談】人見知りで電話が怖い、声がふるえる
重度のあがり症=社会不安障害は、心療内科や精神科を受診して、適切な治療を受ければ完治することが可能な病気です。
しかし、自分が社会不安障害である、と気づくケースは多くなく、性格のせいだから、と我慢して過ごしている人が多いのも事実です。
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そこで今回は、社会不安障害の治療の体験談を2つ紹介したいと思います。
①人見知りが激しく、人とうまく話せない(女性)
②あがり症で、話すときに声がふるえてしまう(男性)
①人見知りが激しく、人とうまく話せない(女性)
人見知りが激しく、初対面の人とうまく会話ができない、Nさん。
Nさんは、子供の頃から人見知りが激しく、小学校の授業では教科書を音読するだけでも顔が真っ赤になってしまうくらいのあがり症でした。自分でもあがり症だと自覚していたので、人とコミュニケーションをとることも少なく、友達も少ない方です。
自分の人見知りであがり症の性格をわかっていたこともあり、Nさんは大学卒業後、1人でコツコツできる研究職の仕事をするようになりました。しかし、会社での人事異動があり、研究部門から総務部に配置換えに。
総務部では研究部門のようにひとり黙々と作業するわけにもいかず、同僚や取引先との打ち合わせなど、対人関係が必要
になる仕事内容です。Nさんは徐々に職場にいること自体にストレスを感じるようになり、朝出勤するのも苦痛に感じるようになってしまいました。
人見知りであがり症なNさんにとって、人と接する機会が多い総務の仕事は楽ではなく、精神的にキツく、緊張感が強いものなのです。
電話に出るのも怖くなってしまう
Nさんが特に困ったのは、電話での応対です。知らない人と電話で話すのが苦手なNさんは、総務部に異動になってからすぐに、問い合わせの電話に出たのですが、緊張のあまりうま喋れませんでした。すると電話の相手から「何を言ってるか分からない」と強めの口調で叱られてしまいました。
その後、パソコンのキーボードを打つ手がふるえるくらいの身体症状が出るようになり、Nさんの異変の職場の上司が気づき「社会不安障害という病気があるから、一度病院に行ってみたら?」とすすめてくれ、心療内科を受診しました。
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病院で診察を受け、社会不安障害と診断さらたNさんは、薬物治療と認知行動療法による治療を行いました。それまでNさんは、自分の仕事ぶりを上司や同僚が常にチェックしているのでは、と思い不安や緊張していましたが、「みんなが私のことをいつも見ているわけではない」と少しずつ考え方が変わり、会社で仕事をしている最中でも、緊張することが減っていきました。
②あがり症で、話すときに声がふるえてしまう(男性)
男性Bさんは、自分の症状に初めて気づいたのは中学生のときでした。学校の社会学習のとき、クラスのみんなの前で発表をするときに声がふるえて話せなくなってしまったのです。
もともとBさんは、人と話すのが苦手だったわけではなく、どちらかというと積極的なタイプでした。クラスでの発表のときも、緊張はしていたのですが、不安や恐怖を感じていたわけではありません。
その後、高校に入学すると、人前で話すときにはいつも声が震えてしまい、友達にも笑われたりするので、人前で話すこと自体が苦痛に感じるようになりました。初対面の人など知らない人と話すときには普通に会話ができるのですが、知っている人との会話では声が震えてしまいます。
大学受験では無事合格したのですが、その後も症状はさらに悪化する一方で、授業で発言するのが怖くなり、授業を休むことをも増えていきました。
面接が苦手で就職できない
就職活動が始まったのですが、面接のときになると声がふるえてしまい、質問に答えることができません。面接官もあきれたような顔をすることがあり、なかなか就職がきまりませんでした。
Bさんは「このあがり症を治したい」と思い、面接セミナーや話し方講座などいろいろ参加してみたのですが、声のふるえは改善されませんでした。ある日、新聞を読んでいると「社会不安障害」の記事があり、精神科を受診してみると社会不安障害と診断されました。
Bさんは、身体症状に即効性のあるβ遮断薬を面接を受ける前に飲み、声のふるえを改善することから治療をスタートしました。精神療法もあわせておこない、少しずつ不安感も軽減し、人前で恐怖感を感じることがなくなっていきました。
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