83 世の中よ〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】
83 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる 【皇太后宮大夫俊成】
読み方(よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる)
出展「千載和歌集」
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意味「83 世の中よ〜」
ああ、この世の中のつらさから逃れる道などないのだろうか。つらさから逃れようと深く思いつめて入った山奥でも、鹿が悲しげに鳴いているなんて。
作者:皇太后宮大夫俊成とは?
この歌の詠み手:皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶしゅんせい)は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての歌人です。
百人一首の第97番歌の作者:藤原定家の父親にあたります。
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当時の代表的な文化人でもあり、歌人でもありました。「千載和歌集」の撰者としても有名です。
解説「83 世の中よ〜」
この歌は、つらい俗世から離れてひとり静かに暮らそう、と山奥に入ってみたが、鹿の悲しげな鳴き声を聞いて、ここも普通の世の中と同じだな、という意味の歌です。
「道こそなけれ」は、「のがれる道などないのだなぁ」という意味です。
「深く思いこむ」は、「山の奥に分け入る」と「思いつめる」の掛詞になっています。
「よのなか」から上の句が始まる歌は2首ある
百人一首の第93番歌は「世の中は」から始まり、この歌の「世の中よ」ととてもよく似ているので注意しましょう。「よのなか」の次の五文字目で決まる「五字決まり」に歌になっています。
83 よのなかよ ー やまのおくにも
93 よのなかは ー あまのをぶねの
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