40 忍ぶれど〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】
40 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで 【平兼盛】
読み方(しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで)
出展「拾遺和歌集」
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意味「40 忍ぶれど〜」
まわりの人に気づかれないようにと、あなたへの恋心を内に秘めてきたのに、とうとう顔色にでてしまったみたいです。「恋をして物思いにふけっているのですか」と人に聞かれてしまうくらいに。
作者:平兼盛とは?
平兼盛は、平安時代中期の歌人で、三十六歌仙のひとり。
第15番歌「君がため〜」の作者:光孝天皇の子孫にあたり、臣下の身分になる際に「平」の姓があたえられました。
第59番歌「やすらはで〜」の作者である赤染衛門(あかぞめえもん)は、平兼盛の実の娘ではないか、といわれています。
解説「40 忍ぶれど〜」
この歌は、第41番歌「恋すてふ〜」の歌といっしょに、同じ歌合(うたあわせ)で詠まれた歌です。この歌合は、歴史上最も有名な歌合といわれているくらいです。
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平安時代中期、第六十二代の村上天皇の時代の清涼殿が歌合の舞台でした。清涼殿は、天皇の
が住んでいる内裏(だいり)の中にある建物です。
この歌合には、数多くの貴族や侍女が参加し、とても豪華な趣向がこらされたようです。40首の歌が左右に分かれ、一組ずつ優劣をつけて勝敗を決めていく、という20番勝負でした。その最終勝負、20番目がこの第40番歌「忍れど〜」と、第41番歌「恋すてふ〜」の二首だったそうです。
40番歌と41番歌は、なかなか勝負がつかず、引き分けにしようかとなったのですが、天皇が「忍れど」とこの歌の上の句を口にしたので、この歌が勝った、と伝わっています。
「忍れど」は、「恋心が人にばれないようにおさえている」という意味です。
「色」は「顔色」のことで、「出でにけり」は「出てしまった」という意味になります。
「ものや思ふと 人の問ふまで」は、「物思いをしているのですか、と人に聞かれてしまうまで」という意味です。
「し」から始まる二字決まりの歌
「し」から上の句が始まる歌は、全部で2首。二字目でどちらの歌か決まる「二字決まり」の歌です。
37 しらつゆに ー つらぬきとめぬ
40 しのぶれど ー ものやおもふと
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