17 ちはやぶる〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】

17 ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは 【在原業平朝臣】

読み方(ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは)

出展「古今和歌集」

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意味「17 ちはやぶる〜」

不思議なことが多かった大昔の神々の時代でも聞いたことがありません。竜田川の水がが紅葉で水をしぼり染めで真っ赤に染まってしまうなんて。

作者:在原業平朝臣とは?

在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)は、平安時代初期の歌人。平然天皇の皇子である阿保親王の息子で、在原行平の異母兄弟です。

六歌仙、三十六歌仙のひとりで、イケメン美男子だったため、「伊勢物語」の主人公のモデルになったともいわれています。

小野小町が美女で有名なら、在原業平は美男子で有名ですね。天皇の孫で上流貴族です。

解説「17 ちはやぶる〜」

「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞です。不思議なことが多かった神々の時代を意味しています。

「竜田川」は、奈良県の生駒山のふもとを流れる川で、昔から紅葉の名所といわれています。

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「からくれなゐ」は、中国から伝来した紅色を指し、濃い真紅の色です。この歌の中では、紅葉のあかい色をあらわしています。

そういえば、人気アニメ、名探偵コナンの映画のタイトルで「からくれなゐのラブレター」とかありましたね。笑

「くくる」は、しぼり染めにする、ということを表しています。

恋多きイケメンだった在原業平は、天皇の妃(きさき)になる予定だった藤原高子とも恋愛関係にあったという話もあります。

ある日、在原業平は藤原高子を連れ出して都から逃げ出したのですが、追っ手につかまって2人は離れ離れになってしまいまいた。

その数年後、かつての恋人である高子が住む屋敷に招かれ、そこで業平は見事な屏風を見て歌を作るように言われました。その屏風には竜田川に紅葉が流れている様子が描かれていて、この歌を詠みました。これを「屏風歌(びょうぶうた)」と言います。

「ち」から始まる二字決まりの歌

上の句が「ち」から始まる歌は、百人一首の中で3首ありますが、そのなかで、この「ちはやぶる」の歌だけが二字目で決まる「二字決まり」の歌です。

17 ちはやぶる ー からくれなゐに

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