【発達障害の検査】知能検査の種類と方法について
発達障害の検査には、知能検査がおこなわれるのが通常です。
発達障害を診断するためには、知的障害があるかどうか、認知機能のかたよりはどうか、知能検査を行い、総合的な評価が必要になります。
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発達障害の知能検査について
病院を受診し、診断基準や検査結果から発達障害であると判明した場合、知能検査がおこなわれるのが通常です。
知能検査では、認知機能のかたよりや困難さを把握することができるので、進学先の学校選びが、今後必要となる支援を考える上においても役立ちます。
発達に関係する知能検査の種類として、次の2つが代表的です。
・ウェクスラー式知能検査
・DN-CAS認知評価システム
ウェクスラー式知能検査のメリットは?
ウェクスラー式知能検査は、世界各国で広く実施されている検査のひとつです。
子供が5歳〜16歳までは児童用のWISC-Ⅳ、それ以上の年齢の場合は成人用のWAIS-Ⅲになります。
ウェクスラー式知能検査のメリットは、得意な領域、不得意な領域を視覚的にパターン化でき、能力のかたより、アンバランスさが一目でわかる点、保護者の理解しやすい点があります。
ウェクスラー式知能検査で何がわかる?
ウェクスラー式知能検査では、IQ知能指数、言葉の知識や思考力を示す言語性IQ、視覚的空間的な情報処理能力である動作性IQを調べることができます。
また、言語性、動作性の検査から次の4つの指標を求め、高い能力と低い能力の差異をみることもできます。
①言語理解
言語的な知識を状況に合わせて応用できる能力
②知的統合
視覚的な情報を取り込み、その情報を関連づけ、全体として意味あるものにまとめる能力
③ワーキングメモリ
注意を持続させ、聴覚的な情報を正確に取り込み、記憶する能力
④処理能力
視覚的な情報を、迅速かつ正確に処理する能力
DN-CAS認知評価システムについて
近年、おこなわれることが増えてきている検査として、PASSと呼ばれる理論に基づいた「DN-CAS認知評価システム」があります。
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DN-CAS認知評価システムは、保護者が質問に答える形式の検査で、子供の適応年齢は5歳〜17歳11ヶ月になっています。
PASSとは、Planning(プランニング)、Attentinon(注意)、Simultaneous(同時処理)、Successive(継次処理)の4つの頭文字をとったもので、考え、学習し、問題解決する際に活用する認知処理プロセスのことを意味します。
これらは知識やスキルを習得するときの基本的プロセスであり、学習面から日常生活の様々なシチュエーションにも関係してきます。
保護者が子供の行動をよく観察する必要があり、学習面や生活面での苦手な分野を理解することにもつながり、子供本人
に最適なサポートや指導法を見つける手がかりにもなります。
DN-CAS認知評価システムで何がわかる?
DN-CAS認知評価システムは、PASS評価尺度という質問紙を使い、次の4つのどの領域が強いか弱いかをみていきます。
①プランニング
課題に対して取り組む方法を選んだり、工夫する認知プロセス
②注意
課題に集中し、周りの刺激に影響されずに取り組む認知プロセス
③同時処理
複数の情報をまとめ、それぞれの情報が全体としてどのように関連づけられるか理解する認知プロセス
④継次処理
情報を順序よく並たり、まとめたりする認知プロセス
知能検査の注意点は?
知能検査は、得点だけで判断できるものではありません。
子供本人が直接答える個別検査法の場合、検査当日の体調や検査者との関係性によっても検査結果が異なるケースもあります。
特に思春期では、子供本人と検査者との人間関係が検査に影響を及ぼす可能性が高いといわれています。
また、保護者が子供の行動を評価する質問紙検査法の場合では、親が持つ子供への思い込み、期待などが混じることもあり、客観的で正当な評価がされないケースもみられます。
発達に関する知能検査において、検査の種類やそのときどきの状況によって検査結果に違いがあらわれることがあるのです。
また、検査結果に一喜一憂するのではなく、子供本人の特性を理解するための手がかりとして考えるようにしましょう。
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