【発達障害と不安障害】強迫性障害、対人恐怖症、症状が似ている?
発達障害のひとつ、自閉症スペクトラムの場合、不安障害と似たような症状があらわれたり、併存しているケースもあります。
不安障害には、全般性不安障害、強迫性障害、パニック障害、恐怖症などの種類がありますが、これらのうち、自閉症スペクトラムと症状が似ているには「強迫性障害」と「対人恐怖症(社会恐怖)」です。
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強迫性障害の特徴と症状
「これをしないと悪いことがおきる」という不安にとらわれてしまうことを強迫観念といい、不安を払拭するために無意味で不合理だとわかっていながらその行動を繰り返すことを強迫行為といいます。
例えば、手を何度も洗わないと気になってしまう「不潔強迫」、外出先で家のドアの鍵をかけたか、ガスの元栓を閉めたか、と気になって確認しに戻る「確認強迫」などがあります。
また、夜寝る前に決まったことをしないと寝れない、といった儀式化された強迫行為もみられます。
他にも、偶数や奇数、右左に極端にこだわったり、いつも必ず同じルートを通っていく、いらない物を捨てられない、など様々なタイプの強迫観念、強迫行為があります。
強迫性障害と自閉症スペクトラム
強迫性障害の本人は、自分の行動が異常な行為であることを認識していて、「自分はつまらないことばかりしている情けない人間」と自己嫌悪の念に悩むこともあります。
自閉症スペクトラムの場合も、代表的な特徴に「強いこだわり」がみられ、強迫性障害と症状が似ているといえます。
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ただし、自閉症スペクトラムの場合は強迫行為だけで、強迫観念はありません。また、強迫行為を意味のない行為と考えて悩むようなこともない点が強迫性障害とは違います。
対人恐怖症(社会恐怖)の特徴と症状
誰でもたくさんの人の前で何か発表するときなど、大勢の人に注目されるような状況になると、緊張したり、強い不安を感じるものです。
喉が乾く、心臓がどきどきする、手や足が震える、吐き気がする、汗が出てくる、などの身体的な症状も出てきて、うまく話すことができなくなってしまうこともあります。
ですが、何度か経験しているうちに慣れてきて、あがりにくくなっていきます。
しかし、社会恐怖(対人恐怖症)の場合は、一度失敗した体験が頭から離れず、似たような状況になると「また失敗する」という予期不安におそわれ、その場から逃げ出そうとしてしまいます。
こうしたことが繰り返しているうちに、学校や会社に行けなくなったり、状態が悪化すると、恐怖で家から出られなくなってしまうこともあります。
また、社会恐怖(対人恐怖症)が慢性化してくると、うつ病を合併しやすくなる、といわれています。
社会恐怖(対人恐怖症)と自閉症スペクトラム
発達障害の自閉症スペクトラムの場合、コミュニケーション能力が低いタイプだと、人の気持ちがわからないため、対人恐怖症(社会恐怖)を併発するリスクが高くなります。
逆に、同じ自閉症スペクトラムであっても、社会性の障害が重く、自分の考えを優先するタイプの場合は対人不安を感じにくく、対人恐怖症(社会恐怖)にはなりにくいと考えられます。
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