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森田療法(東洋)とカウンセリング(西洋)の違いや特徴は?

心理療法の中においても、西洋思想(西洋哲学)と東洋思想(東洋哲学)の2つに分けることができます。

西洋医学(西洋医療)の心理療法にはカウンセリング、東洋医学(東洋医療)の心理療法としては森田療法があります。

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今回は、西洋医療のカウンセリングと東洋医療の森田療法の違いや特徴についてまとめてみたいと思います。

西洋哲学のカウンセリング療法の特徴

西洋発祥の心理療法であるカウンセリングは、不安や悩みの原因を知り、気づくことから始まります。

思考は感情より上にあるもので、思考によって不安や恐れなど感情をコントロールできるもの、という考えがあります。

西洋思想の「原因結果論」

西洋思想を基本とする精神療法には、カウンセリング、精神分析、認知治療(認知療法)、行動療法(行動治療)などの方法があります。

患者の悩みには原因があって、その結果に症状があるというのが、西洋的な精神療法に共通しています。

【原因】
・子供の頃の養育環境
・過去の心の傷
・トラウマ
・否定的な思い込み
・偏見
・間違った行動

【結果】
・人前に出るのが怖い
・対人恐怖
・広場恐怖

西洋的な心理療法の考え方

西洋思想を基本とする心理療法カウンセリングなどでは、不安の原因を見つけ、その原因を修正したり改善することで、感情や気分をコントロールできるという考え方です。

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【精神分析】
原因を探し出して意識化させる

【認知治療/認知療法】
ゆがんだ考え方を修正する

【行動治療/行動療法】
間違った行動を改善する

東洋哲学の森田療法の特徴

それに対して、東洋医療(東洋哲学)の森田療法では、悩みや問題の原因については探したりしません。

不安や恐れ、恐怖といった感情を持つことは人間にとって自然なことであり、自然に反したときに悩みが深くなってしまうというのが東洋的な思想といえます。

また、思考を重要視する西洋思想と違い、東洋思想では心も身体も自然の一部で一体のものと考えています。

こうした心身一元論の東洋思想の考え方も、森田療法の考えも影響を与えています。

東洋思想の「円環論」

東洋思想では、自然な感情である不安や恐れをコントロールしようとすることが悪循環を生み出し、悩みが深まってしまうものだ、という考えがあります。

【不安・緊張】
意識しすぎてさらに不安が高まってしまう

【自分を責める】
うまくいかないのは自分がダメだから、と思い込み、失敗が怖くなる

【人前に出るのが怖い】
人前での緊張や不安を自然なことと思えず、どうにかしようともがき苦しむ

東洋思想、森田療法の考え方

東洋思想(東洋哲学)をベースにする森田療法では、悩みの原因を探すというアプローチはとらず、ありのままの感情を受け入れることを目指します。

不安・緊張・恐れなどのネガティブな感情を、自分の自然なものとして受け入れ、日常生活を取り戻していくのです。

問題の原因を探すのではなく「ありのままの自分を受け入れる」というアプローチなのです。

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