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慣れの効果を期待する「曝露療法」とは?やり方・効果

曝露療法(暴露療法)とは、認知行動療法のひとつでPTSDの治療に多く用いられる方法です。

適応障害のうち、不全型PTSDといえるタイプに有効なことがあります。

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適応障害などの精神疾患になる人は、ストレスがあると逃げる傾向があります。

たしかにストレスと向き合うのは苦痛ですが、いつまでも逃げていては解決しません。

逃げて一時的な安心を得られても、同様のストレス状況になったらまた病気を発症してしまいます。

逃げていては本当の回復はないのです。

曝露療法とは?

曝露療法は、あえてストレス状況に身をおく方法です。

そんなことになったら「自分は失神するだろう」「発狂するだろう」などと想像することでしょう。

そこで、しばらくじっとがまんして、予想しているようなひどい結果にならないことを身をもって理解します。

問題に直面しても抑うつや不安にならず、落ち着いた言動ができたことが自信になるのです。

つらい出来事を思い出すのもいやだと逃げてばかりでは、事態は少しも改善しません。

出来事の記憶を心の中の箱に押し込め、無理矢理ふたをしても、ふたをずっと押さえ続けることはできません。

つらい記憶があふれだしてきて、苦しむ結果になることもあります。

また、記憶を少しずつ思い出してはおびえたり傷ついたりすることもあるでしょう。

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思い切ってふたをはずし、中に入っているものをよく見る、ストレスと向き合うというのが曝露療法といえます。

その場にいく | 曝露療法のやり方と方法

実体験に身をさらす方法。

最も困難で苦痛を伴う治療法ですが、自然災害のように恐怖が大きい場合には、このような方法を用いることがあります。

恐怖体験の場所に行き、何も起こらないと理解することが安心感や達成感につながる。

医師の指導のもと、支援者と一緒に行う。

記録する | 曝露療法のやり方と方法

記録に直面する方法と、おこったことと感じたこと、すべてを記録します。

同じ出来事について、この記録の作業を何度か繰り返します。

繰り返すうちに、冷静にとらえることができるようになり、つらさが軽減されていきます。

【書く】
できるだけ詳細に記録する

【手書きで】
ワープロなどではなく、手書きの方が有効だという研究がある

【読み直す】
書けない日は、読み直すだけでもいい

逃げたり、回避していては、回復に逆効果

逃げれば速やかに不安がおさまるが、また起こるのではないかと不安が続き、完全に安心できない。

逃げなければ完全に消えることにつながる。

【まとめ】曝露療法とは?

・不安や恐怖の軽減に向く療法
・怒りの軽減には向かない
・できるだけ長時間続ける方が効果が得られる
・我慢する力が必要

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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