[質問スキル]思い込みに気づくソクラテスの問答とは?
カウンセリングやコーチングなどの対話の際に、治療者がよく用いる質問手法に「ソクラテスの問答」があります。
ソクラテスの問答とは?[質問スキル]
ソクラテスの問答とは、質問・問答を重ねることで、話し相手を自発的な気づきへと導く対話法のことです。
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哲学者ソクラテスが質問を上手く用いられたことで知られる質問スキルです。
ソクラテスは人々と真理を追究するとき、相手の気づきを促すように質問を工夫しました。
ソクラテスに質問され、聞かれた相手は「あっ!そういえば!」と感じ気づきを得たといいます。
ソクラテスの質問の流れ
・患者さんが当たり前と感じ、深く考えたことのない点に「そのとき、何が悲しかったのですか?」などとあらためて問いかける。
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・聞かれた患者さんは「悲しかった」ことの原因をあらためて考えることができる。
↓↓↓
・悲しい感情を引き起こした原因を探る中で、感情と原因の関係に気づく。
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質問されることで自分自身で気づく
カウンセラーやコーチから答えやすい質問をされると、クライアント・患者は何か考えられそうな気になります。
そしてやがて、自分の認知や感情、行動の特徴に自らの力で気づくことができます。
ソクラテス問答の効果
【問題に気づく】
質問をきっかけに、自分の生活を具体的に振り返る。そして問題に気づく。そのような過程を Guided Discovery [導かれた気づき]という。
【誤解が解ける】
当たり前だと思っていた悩みに、意外な思い込みがあったと気づき、「あ、そうか」と感じて気持ちがふっきれる。
【具体的に考えられる】
治療者は、完全なオープン・クエスチョン[開かれた質問]ではなく、患者さんが考えやすくなるようなきっかけをまじえながら、問答を重ねる。
【話せる自信がつく】
治療者がソクラテスの問答を繰り返すことで、患者さんには話せる、答えられるという自信がつく。
質問することで発見へと導いていく
ソクラテスの手法は、患者さんを何らかの発見へと導くため、ガイデッド・ディスカバリーと呼ばれますが、誘導尋問のような強引な方法とは違います。
治療者は、患者さんがどのような気づきにたどりついても、それを尊重します。
患者さんに、うまく言葉にできない、もやもやとした問題をとらえて欲しいという思いがあるのです。
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