カウンセリング(支持療法)のポイントとは?
カウンセリングとは、医師やカウンセラーなどの医療者が「○○しなさい」という指示を出すのではなく、あくまで患者さんの話を「支持」的に聴くことです。
支持療法とはあれこれと「指示」することではありません。
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精神科医による問診は支持療法のひとつ
心の病気で受診して「精神療法をしてください」と希望する患者さんがいます。
精神療法といっても特別なものばかりではありません。
普段の問診も、精神療法の手法をもとにしていることが多く、患者と医師とのコミュニケーションもカウンセリングのひとつです。
支持療法は、医師やカウンセラーなどの医療者と患者との会話で行われます。
医療者は患者さんの話に耳を傾け、受け入れ、理解し、共感したり励ましたりします。
その過程で、患者さんが自らの根底にあるものに気づき、変化していくのを待ちます。
自分を知る
患者の気分が落ち込み、学校や会社に行けなくなるには、自分なりに、何らかの意味づけをしているからです。
ストレスに気づくだけでなく、なぜそのように感じるのか、自分のこころの底にあるものい気づくことが治療の第一歩です。
抑うつになっていると、自分を責めるようになりがちです。
自尊心が低下し、冷静に見られなくなっています。
・私はダメな人間
・存在意義がない
・○○のせいだ
現在の状況を他人の責任だと思い込み、怒りや不満をふくらませていることが多いのです。
視野が狭くなっていることに気づいていません。
同じことを繰り返し考え、内にこもっていないか、まず自分の現状を冷静にみてみるところから始まります。
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医師やカウンセラーからの介入
医師やカウンセラーなどの医療者からの精神的な働きかけを介入といいます。
介入の種類
【賞賛】
患者さんの良い点をみつけてほめる
【保証】
医療者が信頼に足ると保証し、安心させる
【勇気づけ】
意欲や希望を持てるように
【合理化】
理論的に説明し、ものごとに新たな「意味づけ」をする
【助言】
アドバイス。
不適切な計画をやめさせることも。
【不安軽減】
情報を提供するなど、今後の不安を予防する。
【ネーミング】
問題に名前をつけ、コントロール可能にさせる
【意識領域を拡げる】
無意識の感情に気づかせる
まとめ
カウンセリングによる支持療法は、患者さんの話すべてに賛同することではありません。
安易な励ましやその場しのぎの共感ではなく、介入の過程で、親身な関わりや、心からの対応があってこそ、患者さんは勇気を得られます。
医療者は受容的なスタンスで患者さんとコミュニケーションをとりますが、治療を進めるのは患者さん自身で、医療者は寄り添うガイド的な役割になります。
患者さん自身が、自尊心を回復し、自我意識を持ち、適応力を高め、「自分の苦悩は当たり前のもの。これから、きっとよくなる」と希望を持てるようになることが大切です。
「話を聴いてくれない」「話を聞くだけで何もしてくれない」と医師やカウンセラーに対して不満を持つ人がいます。
治療法や内容に疑問を持ったら、勇気を出して質問しましょう。
医師やカウンセラーへの信頼感が治療には必要ですので、不信感を持っていては治療は進みません。
◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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