曝露反応妨害法とは?強迫性障害の治療の効果は?
認知行動療法の種類にはいろいろな方法がありますが、強迫性障害の治療方法のなかでも効果が高いのは「曝露反応妨害法」と呼ばれる方法です。
曝露反応妨害法とは?
認知行動療法のひとつである曝露反応妨害法とは、不安な状況や恐怖に慣れるために有効な方法です。
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強迫行為をしないで不安をやり過ごせるようになるために、あえて不安の対象に接して強迫行為をがまんする練習を重ねます。
最初はなんとかできそうなことからはじめ、徐々に難しい対象にグレードをあげていきます。
曝露反応妨害法のやり方
曝露反応妨害法は、
・不安な状態に自分をさらしたまま(曝露)
・不安を小さくする行為をしないように我慢する(反応妨害)
・強迫行為を行わなくても不安が軽減していく
ということを体感できる認知行動療法の一種です。
①トリガーを特定する
強迫観念を引き起こしたり、強迫行為を繰り返したい衝動をかきたてたりする刺激をトリガーと呼ぶ。不安階層表の作成などを通じて、何がトリガーになっているかを特定する。
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②トリガーに長時間接し続ける
あえて不安をかきたてるものや状況(トリガー)に接し、不安を小さくするための強迫行為をしないようにして過ごす。
③強迫行為をしなくても不安が小さくなる
時間の経過と不安の程度の変化を記録する。強迫行為をしないでがまんしてトリガーに接し続けると、不安の程度や強迫行為を繰り返したいという衝動は減少していく。
曝露反応妨害法を行う上でのポイント
曝露反応妨害法をうまく進めるためのポイントが、いくつかあります。
これらを事前に知っておくことでスムーズに強迫性障害の治療に入っていけます。
【曝露反応妨害法のポイント】
・できることからはじめる
・家族の協力が不可欠
・治療のルールを決めておく
・ある程度の苦痛があるが、徐々に弱まることを知っておく
曝露反応妨害法での強迫性障害の治療
曝露反応妨害法による強迫性障害治療の一環として、自宅でも曝露反応妨害法をおこなう「宿題=ホームワーク」が出されることがあります。
家族は本人の苦労と勇気をふまえつつ、本人のチャレンジを応援することが大切になります。
例えば、目につくところに注意書きを貼るなどの工夫をしてみるのもよいでしょう。
1回の治療中に不安が弱くなるだけでなく、回数を重ねるごとに不安は小さくなっていく傾向がみられます。
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