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境界性パーソナリティ障害の人の多くは、家族や友人知人、職場などのまわりの人たちから「困った人間だ」と思われてしまうことがよくあります。

たとえ仕事の能力が高くても、他に魅力的なところがあっても、なぜか日常生活の人間関係でトラブルを起こしやすく、周囲から「困った人」とか「面倒な人」と思われてしまいます。そういう場合、境界性パーソナリティ障害をかかえている可能性があります。具体的な例をあげながら、境界性パーソナリティ障害の特徴についてお伝えしていきます。

境界性パーソナリティ障害の具体例その1

Aさんは24歳の会社員で、両親と同居の独身男性。一人息子で親の期待を一身に受けて育ちました。努力家で望み通りの進学、就職と順調な様子。ただし、Aさんは気分のムラが激しく、友人や恋人とすぐに口論、ケンカになり、絶交してしまうことの繰り返し。長年の親友といったような友人はほとんどいません。

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昨日まで褒めていた相手を、いきなり激しく攻撃する

希望していた会社に入社後、初めて大きなプロジェクトに参加し、張り切っていたAさん。Aさんの頑張りも実り、プロジェクトは成功。上司である部長にも「よくがんばった!プロジェクトは大成功だ」と褒められてAさんも大喜び。

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Aさんにとって部長は「自分のことを認めてくれる、誰よりも素晴らしい人」で、職場の同僚にも「部長ほど部下を思っている人はいない!素晴らしい人だ」と絶賛。

自分の気にそぐわないと態度が急変!?

そんなある日、Aさんが会社に遅刻してしまいました。すると部長が「気を抜かないで、ちゃんとやるように」と声をかけた。その部長のひと言にAさんが「遅刻くらいでなんですか!」といきなり激怒してしまい、部長も驚くことに。

その日から「部長は部下をこき使う最低の上司だ!」と部長の悪口を言い始めるようになったAさん。困惑して何も言えない同僚に対してもAさんは「お前も俺を責めるのか!部長に取り入る気だろ!!」とさらに怒ることに。会社の同僚やまわりの人は「なんで私まで怒られなきゃいけないの」とうんざり・・・。

まとめ

Aさんの困ったところは「コロコロと態度が変わってまわりを困惑させる」点です。良い人、悪い人の両極端な評価でしか判断できずに、ちょっとでも自分の気にそわないことがあると、急に態度が変わってしまいがちです。コロコロと急変する態度が、相手やまわりの人を困惑させてしまいます。

こんな場合、もしかしたら境界性パーソナリティ障害かもしれません。気になる方は、専門家に一度相談してみてください。

◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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