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境界性パーソナリティ障害ってどんな症状?主な特徴について

境界性パーソナリティ障害という診断名を耳にする機会が、少し増えてきているような気がします。

ところで「境界性パーソナリティ障害」とは、具体的にどんな症状や特徴があるのでしょうか。

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詳しくみてみましょう。

境界性パーソナリティ障害の主な3つの症状

境界性パーソナリティ障害の症状は人によってそれぞれ違いますが、代表的には、感情の不安定さ、行動の不安定さ、対人関係の不安定さ、の3つに大きく分けられ、それぞれが関連し合っています。

1 感情の不安定さ

常に「人から見捨てられるのではないか」という不安を持っていて、ちょっとしたことでも急に怒ったり、激しく落ち込んだりします。

一見、調子が良いようでも、突然不安や焦りなどにネガティブな感情におそわれます。

その理由として、自己イメージが不安定であることが考えられています。

「自分はこういう人間である」という自己イメージ=自分像を描けないでいるため、感情の動揺が自分を傷つけるような行動に結びつきやすいのです。

友人とのちょっとしたすれ違いにも、心は大きく揺れ動いてしまいがちです。

3 行動の不安定さ

過食・拒食や家庭内暴力など、衝動的な行動を繰り返したり、「自殺する」と騒いだり、リストカットなどの自傷行為をしたりします。

また、薬物の過剰摂取や無防備なセックスに走ることもあり、乱暴な運転や激しい浪費といった行動を起こすこともあります。

その理由として考えられているのは、認知の仕方が不安定(認知が歪んでいる)な点です。

人間関係・対人関係における強いストレスが原因となって、妄想的な思い込みや、自分が自分でないような離人症状におそわれ、問題行動を起こしてしまうこともあります。

まわりの人に対する評価があまりに極端に変わるため、「この人とはつきあえない」とどんどん人が離れていてしまいます。

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3 対人関係の不安定さ

絶賛していた相手への期待が少しでも失われると、いきなり責め立てて悪口を言うなど、態度がコロコロ変わる特徴があります。

過剰な理想化と過小評価を繰り返し、安定した人間関係を築くことが難しいです。

境界性パーソナリティ障害の特徴は、感情・行動・対人関係の不安定さが目立つ

以上のように、境界性パーソナリティ障害の特徴は、極端な感情のゆれ、衝動的な問題行動、頻繁に起こる対人関係のトラブル、といった色々な形で現れるところです。

しかし、一見異なるこの3つの症状も実は関連し合っています。

・はしゃいでいたかと思うと急に落ち込む
・賞賛しきっていた相手を急にボロクソに言う
・過食やリストカット、薬の過剰使用などを繰り返す

これらは境界性パーソナリティ障害をかかえる人がみせる症状の一部です。

境界性パーソナリティ障害の症状の現れ方は様々ですが、感情や行動、対人関係の面で、極端な不安定さを見せるという点では共通しています。

激しい感情の揺れ、心の不安定さが円満な対人関係を築くことを拒んだり、問題行動を引き起こしたりするともいえますし、逆に対人関係のストレスが感情を不安定にしたり、自分を傷つけるような行動に結びつくともいえます。

リストカット=境界性パーソナリティ障害ではない。

かつて、リストカットをしている人みたら、境界性パーソナリティ障害を疑うのが医師の常識でした。

しかし、リストカットは、本人も周囲も「ちょっと困ったストレス解消法」といった感覚でとらえている場合があります。

リストカットといっても、傷つけるのは手首だけとは限りません。足などを切る場合もあります。

◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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