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入院治療は境界性人格障害でも行われる?強制入院もあるの?

境界性人格障害の治療は、外来に通院しながら行うのが基本です。

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しかし、治療の過程で、入院治療が必要になることが少なくありません。

どんな場合に、境界性人格障害で入院するのか?

次のような場合、境界性人格障害の患者さん自身の状態や周囲の状況によっては、入院による治療を考えることがあります。

問題行動が激しいとき

自傷行為・リストカットの繰り返し、自殺未遂、過量服薬などの問題行動が現れ、命に関わるような危険が生じた場合。

患者の家族の疲労が大きいとき

患者本人が情緒不安定で片時も目を離せない、家族への暴力が激しい(DV)など、家族の疲労が限界になってしまった場合。

きちんと治療に通えないとき

うつがひどい、昼夜逆転生活になっているという理由で、外来に通院できない場合。
また、過食・嘔吐やアルコール依存などへの治療が必要な場合。

休息が必要なとき

社会生活や家庭生活でのストレスが大きく、状態が悪化している。
「とにかく一時的にでも休みたい」という気持ちが強い場合。

入院治療

入院施がある病院では、外来治療から入院治療に切り替えることがあります。

入院施設のないクリニックに通っている場合は、主治医に別の病院を紹介してもらうことになります。

また、緊急時には救急車を呼び、救命センターから直接入院となる場合もあります。

入院したからといって常に監視されているわけではありません。

入院中は、自殺のおそれが高くなければ、ルールを守っている限り比較的自由に過ごせます。

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境界性人格障害の入院治療の流れ

境界性人格障害の入院治療の多くの場合、生活を仕切り直すのが入院の目的になるので、2〜4週間程度の短期入院が基本になります。

患者本人が自分で治療に取り組む

動機は何であれ、本人が入院に意味を見いだし、治療に取り組もうと考えることからスタートします。

場合によっては、入院前に契約書を交わすこともあります。

治療のスケジュールや、病棟内で守るべきルールなどを確認。後で混乱しないように文書にしておく場合もあります。

ルールを守りながら生活

定期的に医師の診察を受け、薬の量や種類の調整をしながら入院生活を送ることになります。

問題行動がおさまらない時、病棟内の秩序を乱ような事をした場合は、医師や家族を含め関係者全員で相談の上、退院、あるいは転院となることもあります。

退院は本人の意思を尊重する

状態が良くなってきたら、医師と本人、家族で相談し、退院を考える時期です。

本人の希望が強ければ、状態が改善しないままで退院できるが、その後も経過をみていくことになります。

退院後のことも話し合う

入院治療を終え退院した後、通院による外来治療の続け方やデイケアなどの社会療法を取り入れることも考えておきます。

入院することで環境を変える

境界性人格障害の入院治療には、環境を変えることで生活の仕切り直しができるという意味があります。

患者本人だけでなく、家族にとっても、それが望ましい場合もあります。

入院に至るきっかけはいろいろですが、単に「まわりの人がすすめるから」というだけでなく、患者本人が「入院して治そう」という意欲を持つことが大切です。

◆この記事は、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授、牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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