仕事先や職場でのトラブル、どうすればいい?境界性人格障害がかかえる問題
仕事先や職場、学校などで「困った人だ」「またあの人か」と職場での厄介者扱いされている人の中には、境界性人格障害をかかえている人もいます。
境界性人格障害の人は、仕事先は職場での人間関係での問題、トラブルをおこしやすく、周囲の人も困ってしまうような事態になっていることがよくあります。
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まわりの人としては、この境界性人格障害の特徴について知っておくだけで状況は変わります。
職場の周りの人を巻き込む、境界性人格障害のさまざまな症状
境界性人格障害の人は、様々な葛藤に対して感情をコントールできなくなったり、衝動的に行動してしまったりする傾向が職場で問題になります。
・無断欠勤や遅刻を繰り返す
・取引相手やお客さんともめ事を起こす
・会社や上司の悪口を言う
ときには、裁判沙汰になってしまうこともあります。
「悪いのは相手で、自分は悪くない」という他罰傾向が強いため、なかなか折り合いがつかず、問題が大きくなってしまうことがあります。
また、自分の都合を優先させ、平気で遅刻を繰り返し、上司や同僚に驚かれることも少なくありません。
職場では「うつ病」とされていることも
最近の調査では、職場においてメンタルヘルスの問題をかかえている人が増えていることが指摘されています。
「うつ病」と診断され、本人もうつ病としか思っていないケースが目立ちますが、背後にパーソナリティの問題が考えられている人もいます。
境界性人格障害といえるほどではなくても、パーソナリティに未熟なところがある人が増えているのは、社会全体の流れのようです。
単に「困った人」として無視するのではなく、未熟なパーソナリティゆえの心理や起こしやすいトラブルを知り、ていねいに対応して行くことが望まれます。
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誠実に接することが大切
境界性人格障害が疑われる人に対して、職場での厄介者とでもいうように接しているのでは、事態を悪化させるばかりです。
境界性人格障害の人に対しては、次のような対応、対策がポイントになります。
誠実に対応する
どんな人でも、いい加減な態度で対応されると不快に思います。
とりわけ境界性人格障害の人は、相手の態度に敏感なところがあります。
逆に、ちゃんと誠実に対応すれば、本人の理解が得やすくなります。
例:遅刻をしてきても、無断ではなかった、連絡してきた、と良い面を評価する。
特別扱いではなく、ていねいに
困った言動の多い人が境界性人格障害の診断を受けているとは限りませんが、「困った人」であればあるほど、ていねいに接することが大事です。
特別扱いをする必要はありませんので、誠実にていねいな対応をとるように心がけましょう。
応えられない要求は断る
本人から職場を超えた関係を求められた場合には、できること、できないことを明確に伝え、誤解・期待を与えないようにします。
規則違反はきちんと注意する
「さわらぬ神に祟りなし」とでもいうような必要な注意もできない状態が続くと、重い処分を下さなければならないような事態を起こしてしまうこともあります。
境界性人格障害かもしれない人が規則違反をした場合は、その都度ちゃんと注意しておくことが後のトラブル回避にもなります。
説明には時間をかける
境界性人格障害の人に対しては、同じことを何度も言わなければならないことがありますが、ていねいに説明すれば、納得してもらえることが多いものです。
話し合いは穏やかにすすめる
批判や叱責に対して、本人は猛反発して、ますます事態は悪化しがちです。
まわりの人まで感情的にならないように冷静さを心がけましょう。
◆この記事は、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授、牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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