セクハラやパワハラ、不倫問題も?境界性人格障害がおこす仕事先での問題とトラブル
境界性人格障害の人は「仕事上の付き合い」という枠を超えた深いつながりを求めたがるため、セクハラやパワハラ、不倫などの性的なトラブルの火種になってしまうことがあります。
職場の人間関係は仕事によって結ばれている関係ですが、仕事のつながりだけでは境界性人格障害の病気の持つ「誰かに頼りたい」という依存欲求は満たされません。
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本人は、生身の人間関係を求めて職場の人に次々にと言い寄るケースも多く、その結果、場合によっては、社内恋愛では片付かない事態に発展することがあります。
男性から女性へ
相手の意向を読みとらず、執拗に言い寄ることがある。
ストーカーのような行為、レイプまがいの事態になることも。
女性から男性へ
多くの場合、女性から男性の上司や同僚などに接近する。
誘惑的な行為、誘いに乗るとあとでパワハラ、セクハラの扱いを受けることも。
ひとりで無理に解決しようとせず、かかえこまないようにする
境界性人格障害の人は、プライベートであっても仕事先の人間であっても、そこでも依存対象を求めています。
そのため、職場の同僚や上司に頼りきる態度をとったり、性的な関係を求めようとすることがあるのです。
それはときに、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントとしての問題になることもあります。
そうした傾向があることを知り、境界性人格障害の人相手には、仕事上の付き合いだけにとどめておくことで問題は未然に防げます。
もし性的な肉体関係をもってしまい、問題がこじれはじめた場合には、できるだけ早く外部に相談するといいでしょう。
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困ったら会社や専門医など第三者に相談する
境界性人格障害の人との間に起きた問題やトラブルは、当事者だけで解決しようとしてもなかなかうまくいきません。
第三者への相談が必要となることも多く、自分だけでなんとか解決しようとせずに、職場全体で対応してもらうこともいいでしょう。
言い寄られている人は、ひとりで抱え込もうとせず、周りの人に相談することです。
会社の関係者は、相談にのり、当事者のみの関係にならないように注意することが必要です。
また場合によっては、産業医やカウンセラー、会社の人事部などお互いに連携をとることが大切になってきます。
ときに部署内の問題だけにとどめずに、総務人事の担当者に状況を報告して相談することも必要です。
職場のメンタルヘルスの体制づくりも産業医(企業で働く人の健康管理を担当する医師)の役割のひとつといえます。
一般の病院、カウンセラーから、客観的な立ち場のアドバイスを受け、境界性人格障害の人の症状や特徴などを理解するのもいいでしょう。
仕事先では病名を伝えられないことも
境界性人格障害の男性が女性に言い寄るような場合、性的関係を強要する事態に発展することもあります。
そのような問題が起きたときは「こんな状況なので注意が必要」という情報を社内で共有することも対策のひとつです。
ただ、職場内で「境界性人格霜害」という病名があがることはあまりありません。
診断書の診断名も「うつ病」となっていることが大半です。
◆この記事は、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授、牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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