家族やまわりの友人や知人に「自殺する」といった内容のメールを出したり電話をして騒ぎを起こし、リストカットなどの自傷行為をして周囲の人を心配させ困らせてしまう・・・
こういう人たちは、境界性パーソナリティ障害なのでしょうか?
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もう少し詳しくみてみることにしましょう。
「自殺する」と騒いだり、リストカットも・・・もしかしたら境界性パーソナリティ障害かも?
高校2年生のBさん(女性)の場合。
高校受験に失敗してしまい、第一希望の高校に入れませんでした。Bさんを励ますつもりで「大学受験で挽回しよう」という両親の言葉が、Bさんにとっては実は重荷になっています。
現在通っている学校には、Bさんと趣味が合う友達はいません。また、学校の雰囲気にどうしてもなじめずに、ここ最近は孤立気味になってしまっています。Bさんには別の学校につきあっている彼氏がいます。
ひとりぼっちで孤独感を強く感じる日々
「自分を分かってくれる友達なんていない」
「仲良くなってもすぐに裏切られる」
と、いつもひとりで孤独感を感じているBさん。クラスメイトとの間でもなんとなく浮いた存在になってしまっていて、毎日「早く帰りたいな」と思ったりすることも。
学校で教室にいると、強い孤独感でつらくなってしまうので、休み時間などは、保健室で時間を過ごすことも少なくありません。保健室の先生には絶対的にな信頼を寄せています。
ささいなひと言で急に不安になったり、激しく怒りだしたり
彼氏の何気ないささいなひと言で、Bさんは急に不安になってしまうこともよくあります。
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そして、不安やイライラなどのストレスがたまってくると、「みんな私のことなんてどうでもいいんだ」と感じてしまい、思わず刃物で自分の身体を傷つけてしまう。
両親や彼氏に「これから死にます」とメールすることも・・・。
Bさんから送られてくる自殺予告のメールに対して、まわりの人は「どのように接したら良いの」と分からなくて困ってしまいます。
彼氏「またか・・・。いったいどうして欲しいのか、教えて欲しいよ。」
家族「こんなこと、やめさせなくちゃ。でも、いったいどうすればいいの?」
周囲の人たちはBさんの言動に振り回されてしまいます。
リストカットや自殺メールでさらに孤独になる!?
Bさんの困った点は「自殺予告で周囲をあわてさせる」「リストカットなどの自傷行為を繰り返す」というところです。
他人の何気ない言動でも、心が大きく揺れてしまうところがあります。そして、リストカットなどの自傷行為を繰り返す、自殺をほのめかすメールを送る、などの言動で周囲の反応をうかがうようなところがあります。そのたびに大騒ぎになり「困った人」と思われてしまい、ますます周囲にとけ込みにくくなっています。
まとめ
「死んでやる」といった自殺予告や自殺をほのめかすメールや電話をすることがよくある。
リストカットなどの自傷行為を繰り返している。
こういった言動や行動が多くみられる場合、境界性パーソナリティ障害の疑いが考えられます。ひとりで問題を抱え込まずに、近くの心療内科や精神科への受診を一度考えてみるのもいいかもしれません。
◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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