【依存性人格障害】依存症と見なされる8つの診断基準とは?
人の性格はあいまいなものです。
だれでも困難な現実に直面したりすると、人に甘えたり、頼りたくなるものです。
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依存性人格障害かどうか、どんな診断基準をもとに判断するのでしょうか。
依存性人格障害の診断基準
アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-Ⅳ-TR」によると、依存性人格障害の主な特徴として、次の8つの項目があげられます。
5つ以上にあてはまる場合に、依存性人格障害と診断されます。
①日常的なことを決めるのにも、他人から多くの助言と保証が欲しい
今日、何を着るか、何を食べるか、いちいち確認しないと決められない。
②生活のほとんどで、他人に責任をとってもらわないと心配
たとえば、自分で責任をもって判断することができず、子供に何か聞かれても「パパに聞きなさい」と逃げてしまう母親。
③支持されなくなったり、認めてもらえなかったりするのが怖いので、他人の意見にノーと言えない
例えば、仲間はずれになるのがいやで、仲間と同じものを買ったり、金魚のフンのように行動する。会社ではイエスマンとよく言われる人。
④判断や能力に自信がないので、自分の考えや計画を立てたり、実行することが苦手
仕事の計画をどう立てたらよいかわからないとき、周囲に助けを求めてしまう。もしそこにいたら、母親にだって聞いてしまうかも。
⑤他人から愛されたい、支えられたいために、いやなことまで進んでやる
たとえば、ほめられるためなら、手段を選ばない。粉飾決算で赤字経営を隠したり、恋人に捨てられたくないために会社の金を貢いだりするような人。
⑥身のまわりのことも、自分ではまったくできないと思い込んでいる
ひとりになると、どうしたらよいかわからなくなり、自分から解決しようとしない。高齢者に多い。
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⑦親しい人との関係が終わったときは、自分を支えてくれる次の人を必死に捜す
誰かに頼っていないと不安だから、自分を守ってくれそうな人を捜さなければ。
⑧世話されずに放っておかれる恐怖に、非現実的にとらわれる
例えば、彼なしでは生きていけない、上司に見放されたら会社を辞めなくては、など非現実的な考え方にとらわれてしまう人。
頼りたい気持ちは誰でももっている
大人になっても、人に頼りたいという気持ちはだれでも持っています。
しかし、頼りすぎて相手に嫌われたくない、迷惑をかけたくないという遠慮の気持ちが働きます。
このように、頼りたい気持ちをコントロールできれば、依存性人格障害ではありません。
一方、自分で気持ちをコントロールできず、相手の迷惑を考えずに頼ったりすがりついてしまうのが、依存性人格障害です。
頼られた人は、わずらわしく感じ、うんざりすることが多いため、依存関係はやがて破綻してしまいます。
利他的従属がプラスされると
依存性人格障害だけの人は、相手の迷惑や負担を考えずに依存するだけで、相手をコントロールしようとは思いません。
しかし、利他的従属という手段は、自己犠牲的な「貸し」を相手につくり、「借り」を返そうとする相手にどこまでもしがみつきます。
そのため、相手から嫌がられたり、逆に相手に利用されたりする「しっぺ返し」も受けやすくなります。
悪徳商法や詐欺に高齢者に被害が多い理由
高齢者を狙った悪質商法や詐欺などが増えています。
高齢者が被害者になりやすいのは、単に判断能力が低下しているからではありません。
孤独で、不安な気持ちを抱えている高齢者は、誰かに優しい言葉をかけられると、親切にされたいからとその人の言いなりになって、お金を出してしまいます。
この利他的従属の心につけこんでいるのが、悪徳商法の手口です。
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