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パニック障害は認知行動治療で治るの?

パニック障害とは、息切れやめまいなどのパニック発作が、何度も繰り返し起きるという心の病気です。

パニック障害の患者さんは自分の身体の感覚に対して、怖いものだと強い誤解を抱いています。

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パニック障害は認知行動治療で治るの?

胸がドキドキしたり、めまいや息苦しさを起こしたときに「大丈夫かな」と不安な気持ちになるのは正常な反応です。

しかし、中にはその反応を生死に関わる重大な病気だと拡大解釈して、身の危険を感じ、心配で不安でたまらなくなる人もいます。

そのような考え方、不安や恐れ・心配などの気持ちに支配された状態が、パニック障害です。

認知行動治療では、パニック障害をどのように治療して、症状の改善へ進めるのでしょうか。

認知(とらえ方)を変える認知行動治療

パニック障害の背景に身体感覚への誤解があると考えると、その誤解を特定し、修正することが治療につながると分かってきます。

認知行動治療では、認知(考え方・とらえ方)をとらえて誤解を明らかにし、そこに介入することをパニック障害の治療技法として確立しています。

治療を通じて、息切れやめまいなどは誰にでもあることだと認識しなおすと、パニック発作におそわれることが減ってきます。

パニック障害の悪循環について

パニック障害の患者さんには、自分の身体の変化を過大評価する傾向があります。

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軽い息切れを呼吸不全のような一大事だと感じて、パニックになるのです。

軽度の息切れやめまい、動機、不安になれば誰でも感じる正常な反応で、不安になることがなくても、10人にひとりは経験しているものです。

パニック障害の人は、正常な真意相感覚を過大評価して心臓発作や脳卒中につなげ、「自分はこのままでは死んでしまう!」と思ってさらに不安に襲われ、症状やパニック発作が悪化します。

パニック障害の患者さんは、身体症状をたえず気にしたり、小さな変化に過敏になり、少し動悸がすると「心臓発作だ」「失神したらどうしよう」などと考え、不安で倒れそうになります。

外出や運動を控えるなどの回避行動をとり、それが身体症状を抑える手段だと誤解します。

死の恐怖に襲われ強い不安を抱く、必要以上に強い緊急性・危険性を感じる、などはパニック障害の悪循環です。

パニック障害の認知行動治療のポイント

パニック障害の認知行動治療のポイントは、身体症状への破局的な誤解を解くことです。

パニック発作などの症状を特定して、客観的に分析することで、症状には危険性はないことがわかり、不安が和らぎます。

認知への治療アプローチ

【引き金を特定】
誤解の元になっている、身体症状を特定する。発作の要因が見えてくる。

【客観的にみる】
特定できた身体症状を、客観的に分析する。正常な不安反応であり、命に別状のないことだと分かる。

[例]医師から「胸のドキドキは楽しくスポーツをしているときに起きるものですよ」と言われ、誤解に気づく。

行動への治療アプローチ

【回避をやめる】
認知のゆがみによって生じた回避行動をやめる。運動などに危険がないことを実感する。

【エクスポージャー】
外出などを、段階を追って練習する。発作が起きやすい状況に少しずつ慣れていく。

※身体感覚の破局的な誤解に注目したのは、イギリスの療法家デビッド・クラークです。パニック障害治療についての著書があります。

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