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パニック障害の病名の由来、特徴、背景について

最近「パニック障害」という病名をよく耳にするようになってきました。

実は「パニック障害」という病名がついたのは今から30年ほど前のことです。

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とは言っても、この病気自体は昔からあって比較的かかる人の多い病気です。

パニック障害の病名の由来

パニック障害とは、突然激しいパニック発作におそわれ、発作がまた起こるのではないかと不安になる病気のことです。

パニック障害という病名がつけられる以前は、心臓神経症や不安神経症、自律神経失調症などと呼ばれていました。

パニック障害という名前は、1980年にDSM-Ⅲで明記され、以後、世界的にこの名で統一されるようになっています。

DSMとは、アメリカ精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル第3版」の略で、日本国内においてもこのDSMに基づいて診断されています。(DSMの最新版は、2014年に改定されたDSM-5)

最近は「パニック障害」という病気が浸透し、病気に気づく人も多くなっています。

パニック障害の特徴

近年、その数が増加してきている「パニック障害」ですが、どんな特徴があるのでしょうか?

パニック障害は患者数が多い

ある研究データによると、100人のうち2〜4人が生涯のうちにパニック障害にかかるとされています。

1000人のうち20〜40人、1万人だと200〜400人、ということから考えると、日本国民を約1億人とすると200万〜400万人程度がパニック障害になることになります。

パニック障害はかなり患者数が多い病気です。

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パニック障害は他の病気(精神病、精神疾患含む)と間違われやすい

パニック障害を診断された人の80%以上が、最初に内科を受診しているといわれています。

心療内科や精神科ではなく内科を受診する理由として考えられるのは、パニック発作の主な症状のせいかもしれません。

パニック発作でよくみられる激しい動悸や呼吸の息苦しさ、めまいや冷や汗などから、身体の調子がどこか悪いのではないか、と感じる人が多いようです。

パニック障害の男女比率は?

パニック障害のうち男性と女性の比率ですが、男性45%、女性55%くらいと言われており、女性の方が少し多いようです。

パニック障害になりやすい年齢は?パニック障害の発症年齢について

パニック障害の発症年齢については次のようなデータが出ています。

20歳以下6%
21~30歳23%
31~40歳36%
41~50歳28%
51歳以上7%
(参考:滋賀医外来 1985-95年「グッバイパニック障害」佐藤啓ニ著/メデジットコーポレーション)

このデータをみてわかるように、20歳代から40歳代の働き盛りの年齢層においてパニック障害の患者数が多くなっています。

パニック障害とは?

パニック障害は、不安障害のひとつです。

身体に異常がないのに、突然、動機や息切れ、めまいなどの激しい身体の症状がおこり、さらに強い不安にとらわれるものです。

この発作を「パニック発作」とよびます。

パニック障害は「パニック発作」の症状と、そのパニック発作が再び起こるのではないかという「予期不安」の2つから成り立っています。

不安障害とは?

強い不安のために日常生活に支障をきたす病気を不安障害といいます。

かつては「神経症」と呼ばれていましたが、現在は神経症という病名は使われていません。

不安障害の種類

強迫性障害
パニック障害
全般性不安障害
ストレス障害
恐怖症(広場恐怖、社会恐怖、特定の恐怖症)

◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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