パニック障害と過呼吸症候群って同じ病気?それとも違う?
パニック障害と過呼吸は同じ病気?という疑問を持つ方が多いみたいです。
専門的にはパニック障害と過呼吸症候群とは違う病気ですが、一般的には同じ病気と思われていることが多いようです。
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突然、呼吸が苦しくなり、めまいや不安に陥る過呼吸症候群は、一見、パニック障害の主な症状とよく似ていますが、別の病気です。
なぜ紛らわしいかというと、過呼吸の症状がしばしばパニック障害にの人にもみられるからです。
パニック障害と過呼吸症候群との関連について
過呼吸症候群は不安障害やパニック障害と重なることがありますが、それ自体は単独の病気です。
過呼吸症候群とパニック障害と合併すると「息ができなくて苦しい!」と思いながらも不安のためにハーハーして、逆にドンドン息を吸ってしまいがちです。
そうすると、頭がフラフラし、胸の痛みやめまい、手足のしびれ、頭痛、吐き気、耳鳴り、不安感などのさまざまな症状が起こります。
このような不快な症状は、過呼吸によって血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、脳の欠陥が収縮したり、呼吸性アルカローシスと呼ぶ状態になるために起こるのです。
パニック障害と過呼吸症候群は違う病気だが、無関係ではない。
呼吸が速すぎたり、深すぎたりする過呼吸の状態が続くと、呼吸困難やめまい、耳鳴りなどの発作を起こします。
過呼吸症候群の症状は、パニック障害とよく似ていますが、実はまったく違う病気です。
パニック障害が神経伝達物質のバランスが乱れた状態であるのに対して、過呼吸症候群はストレスがもたらす身体の病気(心身症)なのです。
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ですが、過呼吸とパニック障害は無関係ではありません。
過呼吸症候群がパニック発作をエスカレートさせているケースが多くみられます。
パニック発作が起こったときに、過呼吸症候群を併発している人はめずらしくありません。
パニック障害の人は不安に対して過敏になっているので、過呼吸による息苦しさや不安がパニック発作を起こしやすくし、さらにはパニック発作の症状をエスカレートさせてしまうおそれがあります。
過呼吸の自己診断チェックポイント
次のような兆候がある場合、もしかしたら過呼吸かもしれません。
①安静時にも呼吸数が多い(1分間に10~12回以上ある)
②呼吸する時に胸が広がりすぎるような気がする
③電話が鳴ったり、人の話を聞くとき、息を止めていることがある
④あくびがよく出る
過呼吸の対応方法は?
過呼吸の兆候が現れたとき、どんな風に対応すればいいのでしょうか。
いざというときに効果がある方法を紹介します。
「全身をリラックスさせ、3秒間息を吐き、3秒間息を吸う。」
これを10回ずつ繰り返して1分経ったら、10秒間息を止めます。
この呼吸法を過呼吸の症状がおさまるまで繰り返してください。
過呼吸の症状があらわれてきて、息苦しくなっている時は、紙袋や手のひらで口と鼻をおおい、そのままの状態でしばらく呼吸を続けましょう。
そうすると、自分が吐いた二酸化炭素を吸い込むので、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが元にもどり状態がよくなります。
過呼吸になると、とても息苦しくて呼吸ができない感じがしますが、リラックスして対処することが大切です。
◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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