パニック障害とは? 原因、治療、理解度チェックについて
パニック障害の成り立ち | 歴史と背景について
かつて「不安神経症」と呼ばれていた心の病気(精神疾患)が、1980年に「パニック障害」という診断名に変わりました。
「パニック障害」という精神病名が使われるようになって30年以上経過し、徐々に「パニック障害」という名前が知られるようになりましたが、まだまだ正確な診断をされずに悩んでいる人は大勢います。
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パニック障害は性格のせい?それとも脳の機能が原因?
診断名が変更になったのは、パニック障害は心理的原因ではなく、生物学的原因による可能性が高いと考えられるようになったからです。
不安を感じたり、安心したりするのは、脳の神経伝達物質の働きによるものです。
その脳の神経伝達物質の働きのトラブルが起こるきっかけは、主にストレスが原因といわれています。
パニック障害になりやすい年齢は?
男性、女性を問わず、働き盛りの人はパニック障害になりやすく特に要注意とされています。
しかし、現代の日本社会はストレス社会と言われるように、20歳代や30歳代の成人や、40歳や50歳代の仕事をしている人にくわえ、10代の若者や子どもたちも過剰なストレス状態にあることも少なくありません。
パニック障害は病院で治療を受ければ治るの?
パニック発作が起こると、本人にとって苦しいほどの不安におそわれます。
現実が現実でないように感じたり、自分がとんでもないことになってしまうのではないか、死ぬのではないかという恐怖さえ感じます。
その強い不安感、恐怖感は、健康な人には想像もできないほどです。
パニック障害に限らず、精神病、精神疾患といわれる心の病は、周囲の人にも誤解されることが多いです。
性格のせいとか、気も持ちようや、甘えがある、など理解されずに怒られたり叱られたりすることも多いようです。
パニック障害の原因は脳の神経伝達物質にあるのですから、性格や気の持ちようでどうにかなるものでもありません。
しかし、早い段階で正しく診断を受け、治療を始めれば治る病気です。
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隠れた重病を疑って病院めぐりをしたり、パニック発作を怖れて家にひきこもったりせず、専門医や心理療法の専門家に相談してみてください。
家族や友達、職場の人など周囲の理解は病気を治していく上で大切です。
パニック障害の恐怖感や恐れ、不安やつらさをわかってあげて、あたたかく受け入れ、付き添ってあげることが大切です。
パニック障害とは?よくある質問について
①パニック障害の患者は圧倒的に女性が多い?
×
男性の患者も多くいます。男女比率はほぼ半々で、やや女性が多いという程度です。
年齢的には働き盛りの層が多いといえます。
②パニックになるのは心臓に問題・病気があるため?
×
パニック発作時には動機、息切れを感じますが、心臓や呼吸器など内蔵に原因があっておこるわけではありません。
脳の神経伝達物質が原因とされています。
③パニック障害と過呼吸症候群は同じ病気?
×
パニック発作が起こる時に息を吸いすぎてしまうことはあります。
しかし、過呼吸症候群とは別の病気とされています。
④パニック発作は短時間でおさまる?
○
強い不安感におそわれ、あっという間にピークに達しますが、短時間のうちにおさまるのがパニック障害の特徴です。
⑤パニック障害はうつ病になりやすい?
○
適切な治療をしなければ、うつ状態に移行して行く可能性は高いといえます。
早めの治療を開始すれば大丈夫です。
⑥パニック障害には効く薬がある?
○
薬物療法が有効です。
近年使用が許可されたSSRIという薬は従来に比べて副作用も少なく治癒が可能になりました。
また心理療法も有効とされています。
⑦パニック障害の人に「気のせい」と言ったらダメ?
○
パニック障害は気持ちの問題でおこる病気ではありません。
気の持ちようや心の姿勢、根性や気合いでどうにかなるものではありません。
⑧ストレスを感じていることは自覚できるけど、それが原因?
△
原因とはいえません。
もちろん自覚できるストレスは多いですが、なかには本人が気づかずにストレスになっていることもあります。
◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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