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ストレスが溜まるとパニック障害になりやすい?発作がおきやすくなる?

パニック障害の患者さんに対して、「パニック障害になる前にストレスがありましたか?」と質問すると、多くの人は「Yes」と答えます。

ストレスは多くの病気に影響を及ぼしますが、パニック障害とストレスにはどんな関係があるのでしょうか?

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実は、ストレスの種類によって、ノルアドレナリンの分泌の仕方や、脳への残り方が違います。

物理的ストレスの影響

脳全体からノルアドレナリンが分泌される

心理的ストレスの影響

視床下部、青班核、扁桃核からノルアドレナリンが分泌される

長期間続いて分泌量は減らない

青班核の過活動

神経伝達物質にトラブルを起こす

パニック障害になる原因として「ストレス」の存在があげられます。

しかし、ストレスそのものはパニック障害の原因ではありません。

ストレスは、あくまでもパニック発作を誘発する単なるきっかけにすぎないのです。

ストレスを感じやすい対象、出来事とは?

私たち人間がストレスを感じるような対象・出来事には、次のようなものが考えられます。

見て分かるように、ストレスになるのは悲しいことやつらいことだけでなく、うれしいこともストレスになるのです。

・仕事上での変化
・昇進、栄転、退職、転勤、就職、失業、単身赴任など
・健康上の変化
・妊娠、出産、病気、事故など
・環境の変化
・引っ越し、家の新築、旅行など
・喪失体験
・配偶者の死、近親者の死、ペットの死、失恋など
・結婚問題
・結婚、離婚、別居、不倫など

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ストレスに対する脳の反応について

私たちがストレスを感じるとき、脳ではどんな変化が起こっているのでしょうか。

まず、脳はストレスを感じるとノルアドレナリンを分泌します。

物理的なストレスの場合、ノルアドレナリンは脳の広範囲を刺激し、時間が経つとともに消えていきます。

一方、心理的なストレスは、不安や情動が起こる仕組みと関係が深い司書以下部や青班核、扁桃核という部分を集中的に刺激し、その刺激はストレスがある限り続きます。

このため、視床下部や青班核、扁桃核が興奮状態になり、不安を起こすのです。

ストレスがパニックに直結するわけではない

心理的なストレスが続くと、一部の脳が興奮しますが、それですぐにパニック障害になるわけではありません。

ストレスによる脳の興奮は、神経伝達物質のバランスに乱れを招くひきがね、きっかけにすぎないのです。

簡単!自己診断ストレスチェック表

まわりの人が「なにかつらいことでもあったの?」と聞いてみても、自分ではそのストレスの存在に気づいていないことが多かったりします。

次のストレスの自己診断チェック表を参考にして、あなたのストレス度を診断してみましょう。

最近の生活について思い当たることをチェックしてみてください。

・朝起きられず、遅刻や欠勤が多くなる。
・仕事や家事の能率が悪く、失敗も増える。
・義務を怠り、責任感が乏しくなる。
・考え込んだり、せかせか、いらいらする。
・金銭の浪費や借金をよくする。
・人と会うのがおっくうになる。
・身体の調子が悪いという訴えが多くなる。
・食事や飲酒の量が大きく変わる。
・家族や友人への不平不満、反発がみられる。
・寝付きが悪くなった。

【3〜4個】
ゆとりを失っている。心身の疲れをとりましょう。

【5〜7個】
生活習慣を積極的に立て直しましょう。

【8個以上】
専門医に相談した方がいいかもしれません。

◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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