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【認知行動治療】PTSD・トラウマを克服する方法は?

地震などの災害や、事件・交通事故などで強い精神的ショックを受けた人は、トラウマを抱いて、つらくおそろしい記憶(フラッシュバック)に繰り返し悩まされます。

認知行動療法によってトラウマをとらえなおすと、PTSDや恐怖症の病状が軽減します。

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PTSD・トラウマと認知行動治療

トラウマ記憶を思い出すのはつらいことです。

つらいことや怖いことから目をそむけたくなるのは、人間の正常な心理です。

しかし、トラウマから目をそむけ続けると、心の傷が治癒せず、いつまでも生活に支障をきたす場合があります。

それが、PTSDです。

PTSDの人がつらい記憶(トラウマ・恐怖症)を整理して正確にとらえ、過度の不安を解消するために、認知行動療法が活用されています。

トラウマに悩まされるPTSDとは?

PTSDは、日本語では心的外傷後ストレス障害といいます。

自分の心身の外にあるものから精神的ダメージを受け、それがトラウマとなって症状が引き起こされます。

PTSDは、独特のメカニズムから生じる不安障害です。

[PTSDの例]
ふとしたことで震災の日のことを思い出し、生々しい恐怖を感じる。

PTSDを認知行動治療で克服する方法

認知行動治療では、どのようにPTSDの改善にむけて治療を進めるのでしょうか。

認知面【PTSDの認知行動治療】

【断片化した記憶のアップデート】
バラバラになっていた記憶をつなぎ合わせ、不可抗力で自責の念を感じる必要はないと理解する。
記憶のアップデートを繰り返すと、出来事の詳細がわかり、ホットスポットが明確に。

【「ホットスポット」を探す】
悪夢やフラッシュバックとして再体験する。
トラウマ記憶のもっともつらい部分を「ホットスポット」という。
治療によって、その部分が記憶全体のなかでどのような位置づけにあるか把握すると、記憶が整理され、気持ちも整理される。

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行動面【PTSDの認知行動治療】

【回避行動をやめる】
ニュースや新聞を見ない、事件現場に行かないなどの回避行動をやめる。
不安に立ち向かう。

【トラウマについて話をする】
事件を事故の記憶を最初から最後まで順を追って話し続ける。
感情をおさえずぎず、また、流されないようにもして繰り返し語る。
そのうちに、記憶を怖がる必要はないとわかり、自信がつく。

※PTSDの治療については、イギリスの療法家アンケ・エーラーズとアメリカのフォアの著書が参考になります。どちらも和訳されたものがあります。

※PTSDには、眼球運動をしながらトラウマ記憶を思い出す「EMDR」という治療法が実施される場合もあります。

記憶を再構成する【PTSDの認知行動治療】

PTSDの認知行動治療では、記憶の再構成をおこないます。

過去の記憶を思い出すのは嫌なことですが、それは記憶に過ぎず、おそれることはないと考えられるように認知を修正するのです。

例えば、震災の記憶を避けるのではなく、詳細を思い起こし、必要以上におそれることをやめる、というアプローチがとられたりします。

PTSDについて

事件や事故のことをありありと思い出す「再体験」をフラッシュバックといいます。

PTSDでは、不安が消えずつねに緊張する「過覚醒」、こわい場面を過剰に避けたがる「回避性」という3つのPTSD症状が生じます。

トラウマやネガティブな評価(感情)があり、それらがPTSD症状を引き起こしています。

PTSDの特徴・症状[例]

・トラウマを、実態よりもひどいものだと、ネガティブに考える。
・今もなお恐怖が続いている感じがする。
・事故や災害などによって生じた心の傷「トラウマ」がある。
・医学的な治療を必要とする。
・なにごとも警戒して、以前と同じようには活動できなくなる。
・トラウマに関することを避ける。
・不安、恐怖、罪悪感、恥ずかしさなどを強く感じる。
・加害者より自分を責める気持ちもある。
・生活が乱れ、トラウマは自分をこんな風にしてしまったおそろしいもので、もう立ち直れないと感じる。

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