溶連菌の感染がチックの原因になる?
感染症がチックを引き起こす原因になる場合があります。
感染症をきっかけにして起こる免疫システムの不具合が、脳の働きに影響すると考えられています。
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風邪のあとにチックが始まることも
発熱と強い咽頭通のあとに発疹が出る猩紅熱などを引き起こす溶連菌感染が、チックの発現、悪化に関わっていることがあります。
溶連菌感染は、子どもの感染症としては比較的多いものです。
ひどい風邪の症状の後に急にチックが出てきたり、状態が悪化した場合には、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
早い段階で抗生物質を服用し、溶連菌感染の治療をしっかりおこなうことで、チックの予防は可能です。
溶連菌感染に関連するチックやトゥレット症候群に対しては、免疫療法による治療も試みられています。
溶連菌感染のチック、PANDASとは?
【免疫の仕組みにトラブル + なりやすい体質】
PANDASとは、Pandiatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcal infection の略で、直訳すると「溶連菌感染症に関連した小児自己免疫性神経精神疾患」という意味になります。
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溶連菌感染をきっかけに、自分の組織に反応する自己抗体ができることがあります。
この自己抗体が脳の機能を障害し、チックを発現させたり、症状を悪化させたりする場合があるのです。
自己抗体のできやすさは、子どもの体質によって違いがあり、溶連菌感染が原因となって、必ずチックが生じるわけではありません。
PANDASと考えられるケースは、トゥレット症候群の5%程度といわれています。
【実例】熱が下がったあと、チックがあらわれたケース
8歳の女の子の実例を紹介します。
ある日、子どもが泣きながらのどの痛みを訴えたので、みてみるとのど全体が赤く腫れ上がっていました。
かなり痛いようです。
間もなく全身が震え出し、39度もの熱が出ました。
病院で受診すると、猩紅熱と診断されました。
医師によると、これは溶連菌が原因の感染症だということです。
薬を処方され、3日間続いた熱がようやく下がってひと安心。
ところが、その後、ときどき目を片方に寄せるようになってしまいました。
ひんぱんに横目をしているのは、チックだと医師に言われました。
その後、子どもの様子をみているうち、2週間ほどで消えた。
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