心理的ストレスはチックの原因ではない?単なるきっかけ
チックと子どものストレスの関係はそれほど深いものではない、と考えられています。
心理的ストレスとチック症の間にまったく関連がないわけではありませんが、子どもがストレスを感じていることはチックの直接的な原因ではありません。
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ストレスだけが原因でチックは発症しない
子どもにとってストレスの多いできごとの後に、チックが始まったり、症状が悪化したりすることがあります。
そのため、心理的なストレスがチックの原因と考えられていた時代も昔はありました。
しかし、チックはストレスだけが原因となって発症はしません。
ストレスがあるかないか、ということは、チックの発症の単なるきっかけのひとつにすぎないのです。
これといったきっかけが思い当たらなくても、チックになることはあります。
心理的な要因がチックの症状に関係はしますが、子どものストレスになっていることをすべて取り除いてみても、それでチックが消えるわけではありません。
何より、子どものチックの対応では、親が焦らないことが肝心です。
ストレスによるチック症の悪循環
子どものチックの症状が強ければ強いほど、親の不安は大きくなりがちです。
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親がチック症状の行動を静止しようとすることも、逆に「注意してはダメ」と必死に我慢するのも、子どもに良い影響はありません。
親が原因でチックになるわけではありませんが、子どもにチックがあるなら、まず親が変わるほうがいいでしょう。
【ストレスによるチックの悪循環】
母親が不安になる
↓
母親が焦る
↓
チックをすると注意したくなる
(注意してはいけないとがまんする→子どもは敏感に感じ取る)
↓
子どものストレスになる
↓
チックが増える
↓
母親が敏感になる
↓
悪循環へ
チックの誘因、原因となる出来事は?
チックの子どものうち3人に1人は、チックが始まるきっかけとなったで出来事があります。
【子どものストレスになる出来事例】
・叱られる
・環境の変化(引っ越しや入学)
・緊張すること
・イベント行事の前
・家族関係
・友だち関係
・先生との関係
ストレスを取り除くとどうなる?
チックのきっかけとなったストレスを排除したとしても、チック自体には大きな変化はみられないかもしれません。
しかし、子どもにとって心身の負担が減れば、本人のQOL(生活の質)は上がるでしょう。
たとえチック症状はあっても、いきいきと毎日を過ごす子どもの様子に、親の不安も軽くなる可能性があります。
友だちのいじめが原因でチックに?
友だち関係のトラブルは、子どもにとって大きな心理的なストレスになります。
もともとチックを起こしやすい体質をもつ子の場合、いじめがきっかけで、チックが出始めることもあるでしょう。
ただし、いじめはチックの直接的な原因ではありません。
当然、子ども間でのいじめの解決は大事ですが、チックの症状に変化がない可能性もあります。
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