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自閉症・アスペルガー症候群などをひとくくりにして、DSM-Ⅳ(4)=精神障害の診断と統計マニュアルでは「広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)」となっています。

今回は、その広汎性発達障害の特徴・症状についてお伝えします。

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広汎性発達障害の特徴・症状とは?アスペルガー症候群・自閉症等

ここ数年で”アスペルガー”という言葉がかなり日本社会の中で広く浸透してきているように感じます。

日本の精神科や心療内科で使用している診断基準のDSN-Ⅳでは、大きな区分としてアスペルガー症候群や自閉症は「広汎性発達障害」と位置づけられています。

その主な特徴・症状とは、次のようなことがあげられます。

  • 社会的関係、コミュニケーション、想像力や創造性などに特異性が認められる。
  • 人の表情や暗黙の了解が理解できず、目と目を合わせなかったり、場面にふさわしくないことをしてしまう。
  • 言語の習得が困難であったり、言葉の遅れはないものの堅苦しい言い方をする。
  • 変化が苦手で一定の手順に従わないと落ち着かない。
  • ごっこ遊びができない。
  • 比喩や冗談が通じない。

具体的にどういうことなのか、もう少し詳しくみてみましょう。

社会的関係、コミュニケーション、想像力や創造性などに特異性が認められる。

この中に「特異性」という表現がありますが、これはあえて表現を言葉を選んで、ということだと思ってください。

私たちの日常的な表現にしてみると、「周りの人と違う」ということになります。さらにそれを噛み砕くと「あの子、ちょっと変」とか「おかしい」というようなニュアンスだと思ってもらった方がイメージがつかみやすいかもしれませんね。

何にせよ「人と違う」ということです。

私たちは子どもの頃から大人になっても、周りの人と何かしらの関係をつくりコミュニケーションをとって生活していきます。子どもの頃であれば、クラスメイトや友達、先生などでしょうし、大人になって社会にでれば、職場の同僚や仕事先の人、お客さんといった感じですね。もちろん、家族や親族もですね。

そういった関係を構築していく中で、広汎性発達障害の人はコミュニケーションの方法が周りに一般多数の人たちと比べると、かなり違うニュアンスが大きいので、周りの人たちにとってみると「違和感」を感じることが多々あるということになりやすいです。

そうすると「何かあの子変だよね」とか「あの人ちょっとおかしい」と思われることになり、自閉症やアスペルガー症候群といった広汎性発達障害の人たちは”孤独”や”疎外感”をしばしば感じることになります。

想像力はイメージ力のことですね。イマジネーションです。で、創造性はクリエイティビティ、何かを創りだす、生み出すような能力のことだと思ってください。この辺は、後でも出てきますので、また後でお伝えしますね。

人の表情や暗黙の了解が理解できず、目と目を合わせなかったり、場面にふさわしくないことをしてしまう。

これは、いわゆる「空気が読めない」とか「アイコンタクトをしない」といった感じですね。

特に日本文化においては、要求や自分の考えをそのままハッキリと言う、ということを良しとはせずに、相手が何を考えているか、どう思っているか、をこちら側が考えて察する、という側面が大きいものです。

そういった暗黙の了解や顔の表情から相手の想いを汲み取る、といったようなことについて理解できず、空気が読めないような行動や言動をしてしまいがちであるということになります。

まさかこのタイミングでそれは言わないだろう、というようなことも、「何とはなしに、ズバッと言ってしまう」ということも多いです。

その結果、アスペルガーなどの広汎性発達障害の人たちは、「まわりの人から浮いた存在」として扱われることが多くなっているのが現状です。

少々キツい言葉でいるなら「周りから避けられる」ということです。

言語の習得が困難であったり、言葉の遅れはないものの堅苦しい言い方をする。

幼少期に周りに一般的な子どもと比べると、言語の習得が少し遅いということも多いみたいです。

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また、言語の習得については遅れてはいないが、子どもなのに妙にかしこまった堅苦しい言葉を使うことも多いそうです。

お昼ごはんに何を食べたの?という質問に対して、「白飯と魚肉、それと緑黄色野菜です。」と答えるケースもあります。

他には、「手伝って欲しい」という意図で、小学生の子どもが「あなたの援助が必要です」というのも。

「やめて」ち言わずに「言語道断で拒否いたします」なども。

家族やクラスメイトにもやたらと丁寧な「ですます調」や敬語を使うケースや、アナウンサーのようにあまりにも正確すぎる言葉を使って話をするケースもあります。

不自然な丁寧さ、あまり日常的には使わない熟語や表現を使うことなどがあげられます。

変化が苦手で一定の手順に従わないと落ち着かない。

こだわりが強い、というと若干ポジティブな要素を含んでいるように聞こえますが、あなたの間隔でいえば「執着」というニュアンスと思ってもらった方が近いと思います。

あまりにも強固に頑固に一定の手順、自分のやり方にこだわる、といった感じですね。

その手順を飛ばしたりすると、パニックになって興奮状態になってしまったりすることも少なくないです。

自分なりの方法や手順があり、変化に対応する臨機応変さに欠ける、といったイメージだと考えてもらえるとイメージがわきやすいかもしれませんね。

ごっこ遊びができない。

これは、最初の「想像力や創造性」が深く関係しています。

小学生の頃の女の子の場合で考えてみましょう。

女の子の○○ごっこ遊びの定番といえば、やっぱり「ままごと」でしょうか。

シートを地面に敷いて、お母さん役、お父さん役、子ども役、といった風にそれぞれの役割にわかれてままごとが始まりますよね。

お父さん役の子「ガチャッ!ただいま〜♪」
お母さん役の子「お帰りなさい、お父さん」

お父さん役の子「お、帰ったぞ。今日も仕事が疲れたな〜」
お母さん役の子「さぁ、ご飯よ。どうぞ。」

といったやりとりが行われるわけですが・・・

想像力や創造性に”特異性”がある子はこの後どんな行動にで出るかというと、「ご飯よ」と手渡された”ドロ団子”をガブッとかぶりつきます。で、「うわ、ぺっ、ぺっ」と吐き出すことになります。

実は「ままごと」などのごっこ遊びは、イメージ力によって可能になる遊びなのです。

この場合、ドロ団子をかぶりついた子からすると「だってご飯って言ったじゃない!」という感覚です。

こういった○○ごっこ遊びが子どもの頃にできなかったりするといった特徴があります。

比喩や冗談が通じない。

これは、人の表情や空気が読めない、ことと関係しているといえます。

例えば、友達と話をしてるときに、友達が笑いながら冗談で「マジで!?それってアホや〜ん♪笑」と言ったとき、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害の人はどんな反応をするかというと・・・

友達の表情や言葉のニュアンスなどを一切考えずに、言葉の意味だけをとって「アホって何よ!失礼だ!!」といって本気で怒ってしまいます。

そんなことが多いので、周りの人にとっては「あの人、訳がわからない」とか「空気が読めない」といった印象を持ちやすく、周囲の人から浮いて孤立するケースが多いです。

まとめ

ただ、本人にとってみればそれが「普通」なのであって、周りの一般多数の人の思う「普通」の感覚とズレている、違う、ということだけなのです。

特に悪意があるとか、相手を傷つけてやろう、というような意図があるわけではなく、ただただ「普通」にコミュニケーションをとっているのに、うまく関係がつくれずに孤独になって思い悩んでしまう、というケースが多いです。

アスペルガー症候群や自閉症といった広汎性発達障害の人のサポート・ケアをするときは、「あなたの思う普通」と「相手の思う普通」が違うんだ、ということをしっかり理解してコミュニケーションされることをおすすめします。

こういうとき具体的にどうすればいいのか?という質問・疑問があれば、遠慮なく相談してみてください。

◆この記事は、東京工業大学名誉教授、精神科医、医学者である影山任佐先生執筆・監修の「図解雑学 心の病と精神医学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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