【アスペルガーの子への対応の基本】ひとつずつ具体的に教えていく
アスペルガー症候群の子どもは、感覚に偏りがあったり、複雑な動作を理解するのが遅かったりするため、生活習慣をひとりで覚えることは困難です。
入浴や着替え、掃除、洗濯などを教えるときは、子どものやり方にあわせてゆっくり教えてください。
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アスペルガーの子の生活面への対応の基本は、短い言葉でわかりやすい指示をすることです。
作業を簡単にして、ひとつずつ伝えましょう。
アスペルガーの子の対応、7つのポイント
アスペルガー症候群の子どもに生活習慣を教えるときのポイントは7つあります。
複雑なことを要求せず、必要なことだけを簡潔に伝えましょう。
アスペルガーの子どもができそうな作業から教えて、役割をこなす達成感ももたせるようにします。
①ひとつずつ
一連の作業だからといって、いっぺんに複数のことをさせると混乱する。
服を脱ぐ、服をたたむ、服をしまう、とひとつずつ分けて教える。
【×】一度にたくさん
②具体的に伝える
あいまいな言葉は、想像するのが苦手な子どもには伝わらない。
「ちゃんとして」ではなく、「服をしまって」と具体的な動作を指示する。
【×】「ちゃんと」「しっかり」
③短い言葉で伝える
よけいな言葉はできるだけはぶき、短い言葉で伝える。
「お父さんの服も入っているけど、しまっておいて」などと言うと、どの言葉が指示か分からなくなってまう。
【×】長く複雑な言い方をする
④予定を伝える
作業の始まりと終わりを明確に指示する。
「この洗濯物をしまったら終わりね」というように伝える。
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【×】何を手伝うか、判断をまかせる
⑤視覚的な手がかりをそえる
簡潔な言葉とともに、イラストや写真を見せると、より理解しやすくなる。
子どもによって、ジェスチャーや文字を好む場合もある。
【×】言葉だけで指示
⑥肯定的な言葉で伝える
失敗を否定する言葉は使わない。
「脱ぎっぱなしはダメでしょ!」ではなく、「脱いだ服はかごに入れるのよ」と、失敗を正す方法を示す。
【×】間違えるたびにダメという
⑦失敗しないですむように
不可能なことをやらせない。
失敗は行動の幅をせばめるもとになる。
子どもの様子を見て、実現しそうなことを中心に教えていく。
【×】何事も経験と考える
子どもに分かりやすい言い方で教える
アスペルガー症候群の子どもは、さまざまな特性をかかえて暮らしています。
顔を洗うのがつらかったり、持ち物をそろえるのが難しかったり、彼らの悩みはさまざまです。
一見そうには見えませんが、外国の異文化の中で暮らしているようなものなのです。
アスペルガー症候群の子どもの文化に歩み寄り、子どもにあった教え方を心がけましょう。
悪いクセがすぎに直らないからといって、子どもを叱るようなことはやめましょう。
子どもに分かりやすく指示するためのポイントを押さえるだけで、子どもの理解度がずいぶんと違ってきます。
過保護がいい?それとも放任主義?
アスペルガー症候群の子どもへの対応において、過保護にも放任主義にも一長一短があります。
どちらの方法が良いとは言い切れません。
ただ、アスペルガーの子は、できないことを無理に経験させようとすると、不安や恐怖を感じて、かえって成長が遅れたり、二次障害を起こす場合があります。
放任するのではなく、丁寧に、おだやかに支援することで、豊かな発達が期待できます。
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