ID-10055677

ちょっと変わったうつ病?仮面うつ病、季節性うつ病、非定型うつ病

うつ病の中には、意外な症状を示すものがあります。

うつ病の典型的な症状がでないため、うつ病とは思いもよらないものもあります。

スポンサーリンク

身体の症状に隠されている「仮面うつ病」

「仮面うつ病」という名前から、無表情になってしまううつ病だと誤解されることが多いのですが、そうではありません、

仮面うつ病とは、原因の分からない胃腸の不調や慢性的な頭痛、手足のしびれ、関節痛などの身体症状が前面に現れ、うつ病特有のうつ気分やおっくう感が身体症状のうしろに隠れているタイプです。

内科医の診断では、うつ病と診断がつきにくく、専門的な治療に結びつきにくい特徴があります。

内科的治療では身体の症状が軽快せず、うつ病の治療を行うことで、ようやく身体症状も改善します。

冬になると現れる「季節性うつ病」

冬になると、気分の落ち込みや全身の倦怠感、睡眠障害などの抑うつ状態が起こるのが「季節性うつ病」です。

季節性うつ病は、10月頃から症状が起こり、春先に回復するというサイクルを繰り返します。冬以外にの季節には安定しており、「冬季うつ病」とも呼ばれています。

原因はよく分かっていませんが、日照時間が短くなる季節に発症するため、治療には抗うつ薬のほか、日光浴や強い光を長時間浴びる「光療法(高照度光照射療法)」が有効です。

スポンサーリンク

季節性うつ病(冬季うつ病)は、若い女性に多くみられ、北国にすんでいる人に発症する傾向があります。

若い人を中心に増えている「非定型うつ病」

通常のうつ病を「定型うつ病」とすると、うつ病の典型的な症状とは異なった症状を示すタイプであることから「非定型うつ病」と呼びます。

この非定型うつ病には、自分の好きなことなら積極的に取り組むという、従来のうつ病とはまったく異なる症状があります。

非定型うつ病は、若い人を中心に受診が増加しており、「新型うつ病」のグループに含まれます。

ちょっと変わったうつ病の種類まとめ

仮面うつ病

・身体の症状がうつ病の中心である症状を隠しているもの。

・隠れているうつ病を治療しない限り、身体の症状も消えない比較的軽症のうつ病。

季節性うつ病

・他の季節には、精神が安定しているが、冬を迎えるとうつ状態が起こるうつ病。

・冬季うつ病とも呼ばれている。

・日照時間の減少が要因になると考えられている。

非定型うつ病

・従来のうつ病の概念に当てはまらないうつ病。

・20代から30代の若年層に多い。

・「新型うつ病」のグループに含まれる

・自責の念が少なく、他人を責める傾向がある。

・興味のあることや好きなことなら活動的になる。

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

スポンサーリンク