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うつ病は、人口の1割程度が生涯のうちにかかるともいわれている「心の風邪」とも呼ばれる頻度の高い病気です。

今日の日本において、潜在的な数も含めると「うつ病1,000万人」ともいわれています。

今回は「うつ病」についてお伝えします。

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うつ病とは?症状・特徴

「うつ病」は、激しい悲哀感、虚無感にさいなまされ、生きる意味さえ失うこともあるうつ病は、様々な状況が原因となっておきる精神疾患のひとつです。

気分の落ち込んだり、やる気が出なかったり、という「うつ状態(抑うつ状態)」は誰もが経験するものです。

失恋や仕事上の失敗、家族との死別など、生きていると多くの悲しみに遭遇し、気分が落ち込むことはあります。

「うつ病(単極性障害)」は、気分が落ち込んだ状態ががさらに深刻になり、激しい悲哀感や虚無感が続き、物事すべて悲観的にとらえる。さらには絶望感や罪悪感にさいなまされ、死にたくなるような気持ちを持つことも多いです。

うつ病の患者は顔に生気がなく、意欲が低下し、動作が緩慢になるので、身体の病気にかかっているようにも思えることもあります。

また、夜遅くにベッドに入っても、早朝から目覚めてしまう「早朝覚醒」はうつ病の典型的症状です。

多くの場合、朝方にうつの状態がひどく、夕方には落ち着くといわれています。

病状がさらにひどい状態になり重症になると、妄想や錯乱といった症状も発生することもあります。

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状況によるうつ病の分類

うつ病は、それを引き起こした状況による分類もされます。

「引っ越しうつ病」

引っ越しによる慣れ親しんできたものとの別れが契機となりやすい

「荷下ろしうつ病」

長期の仕事が完了したり、戦争捕虜が帰還して解放され、緊張のバランスが一時的に失われて起こりやすい

「根こぎうつ病」

大震災などの災害や、民俗迫害などによって生活の基盤がなくなったことにより起こりやすい

「燃え尽きうつ病」

打ち込んできた仕事が失敗に終わるなどして、落胆し自己嫌悪になることから生じやすい

うつ病の原因・治療方法は

現在では、うつ病の原因として脳内の神経伝達物質の分泌異常が推定されています。

うつ病の治療法は、薬物療法と十分な休養をとることが基本です。

周りの人や本人が「怠けてる、もっとしっかりしないと」と誤解し、励またりすることは逆効果になりがちです。

また「薬に頼ってはいけない」などと考えて薬物療法を中断することも病状を悪化させるリスクがあるので、医師や専門家に相談してから決めるようにしてください。

まとめ

ストレス社会といわれる現在の日本では、年々うつ病になる人が増えています。

SSRIをはじめ、副作用が少ない薬も開発され、うつ病の治療も進化してきています。

ひとりで全部抱え込まずに、「あれ?何かおかしいかも?」と感じた場合は、早めに医療機関や専門家に相談するようにしてください。

◆この記事は、東京工業大学名誉教授、精神科医、医学者である影山任佐先生執筆・監修の「図解雑学 心の病と精神医学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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