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うつ病を本人が自覚するまでの流れ

うつ病をはじめて発症した人は、精神神経科や心療内科など、こころの病気の専門医を受診することに不安や抵抗感があることが多いようです。

そんなときには、家族や周囲の人のサポートが大切になってきます。

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本人はうつ病と認めたがらない

うつ病には、病気を特徴づける4つの代表的な症状があります。

①気分の落ち込み
②意欲の低下
③頭の働きの停滞
④身体のさまざまな不調

これらの症状が2週間以上続くと、さすがの本人も実際の生活に支障が出てくるので「困ったことになった」と感じるのが一般的です。

症状が朝に強くて夕方から夜にかけて楽になる日内変動があり、そこに不眠などの睡眠障害、食欲不振が加われば、うつ病になっていると考えるのが妥当です。

ところが、本人は「うつ病ではない」と否定するケースも少なくありません。

自分自身を心の病であると認めたくないのです。

病識の欠如には周囲のアドバイスが必要

うつ病であると認めない態度を「病識の欠如」といい、うつ病ではないという本人の否定によって、うつ病の診断はむしろ確定的になります。

病識の欠如には、判断力が低下して自分の状態を正しく判断できない、人の助言に耳を傾ける余裕がない、心の病気だと診断されることへの恐怖などが背景にあるからです。

家族が「病院へ行こう」と勧めても、本人はなかなか受診しようとしません。

病識の欠如にともなう拒絶が、うつ病の際に受診が遅れる理由のひとつです。

本人が受診を拒んでいるときには、病気の診療について不安や恐怖があります。

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そうした気持ちをやわらげ、診察をうながすために、家族や周囲の人たちのあたたかいサポートが必要です。

「困っている状態を少しでも楽にしてもらうために病院を足す寝てみましょう」と告げて、付き添って受診するのもの良いでしょう。

精神科医の説明を受けて「うつ病だ」と納得すれば、病気を受け入れうつ病の治療へのスタートを切ることができます。

うつ病を自覚するプロセス

【自覚症状】
①気分の落ち込み(憂うつ、悲しい)
②意欲の低下(おっくう、やる気がしない)
③頭が働かない(仕事が進まない、日内変動のため朝刊を読んでも頭に入らない)
④いろいろな身体の症状(頭が鍋をかぶったように重い、疲れやすい)

【症状】
日内変動(朝にうつ状態が強く、夕方に軽くなる)
睡眠障害(夜中の起きて、後は寝た気がしない)
食欲不振(食べても味を感じない、空腹感がない)

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症状が2週間以上続き、仕事や家庭生活に支障がでてくる

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【病識の欠如(うつ病なんかではない)】
①判断力が欠如して、自分の状態を正しく把握できない
「疲れただけだ」「職場に行けば、仕事ができるはず」
②人の助言に耳を傾ける余裕がない
「放っておいて欲しい」「他人に私の心がわかるはずがない」
③心の病気と診断されることの恐怖
「自分の心はや病んでいない」「自分は心の病気になどならない」

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受診をうながす家族や周囲のサポート

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精神科医を受診し、うつ病との説明を受け、納得する

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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