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うつ病とノルアドレナリン・セロトニン・ドーパミンとの関係

神経伝達物質のなかで、うつ病に深い関係があると考えられているのが、「生理活性アミン」と呼ばれるノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなどです。

これらの神経伝達物質には、次のような働きがあると考えられています。

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ノルアドレナリンの働き

ノルアドレナリンとは、恐怖や不安、怒りなどの精神状態と関わりがある神経伝達物質です。

ノルアドレナリンはストレスが高まると分泌され、心拍や血圧を上げ、危険に対処できるよう身体を緊張状態にします。

セロトニンの働き

セロトニンとは、脳内や小腸などに分布している化学物質です。

セロトニンは、消化器の運動に大きく関与しており、視覚や体温調節、睡眠、食欲、記憶の定着、感情、情緒などにも関わっているといわれています。

ドーパミンの働き

ドーパミンは、ホルモンの調節、運動、意欲、学習、行動するときの動悸、カ快の感情などにかかわりがあります。

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モノアミン仮説とは?

うつ病とノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミン等の神経伝達物質との関係は、すべてが解き明かされたわけではありません。

しかし、うつ病にった人の脳を調べた結果、ノルアドレナリンやセロトニン、ドーパミンが不足していたことがわかりました。

つまり、これらの神経伝達物質が担っている情報がうまく伝わらないことで、うつ病は発症すると考えられているのです。

これを「モノアミン仮説」と呼んでいます。

実際、ノルアドレナリンやセロトニンが不足すると、憂うつ、やる気の低下、おっくう感といったうつ症状があらわれます。

ドーパミンが不足すると食欲、性欲が減退し、気分もふさぎ込んだ状態になります。

うつ病を治療する「抗うつ薬」は、不足した神経伝達物質の働きを高める作用があり、高めた効果によってうつ病の症状を改善すると考えられています。

うつ病は神経伝達物質のバランスの乱れが要因

神経伝達物質には50種類以上の種類があり、臓器の活動を調整したり、感情を生み出したり、それぞれが異なった役割や機能を持っています。

心身の健康は、こうした神経伝達物質が適切に放出されることで維持されています。

しかし、何らかの原因で過剰に放出されたり、不足したりすると、心身に様々な症状が現れ、ときには重い病気を起こすことがあります。

◆この記事は、赤坂診療所所長、精神保健指定医、渡辺登先生執筆・監修の「これでわかるうつのすべて(成美堂出版)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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